もう20年以上前になるんだけど…
知り合いと大型書店に行く機会があった
たまたま通りがかった哲学書コーナーでその人が急に「そうそう、俺、マルクス読んでみたいんや」って言い出した
ちょっと意地悪に「え?どっちの?」って俺が聞いたらその人は
「グールーチョ・マルクス!」
この人とは友達になれると確信(^^/♪



「アルゴ」
CIAが立てたとんでもない人質救出作戦の実話
昔から映画で語られるCIAってろくでもない組織だから、CAIの好感度(?)もアップしなきゃってことか?
ま、ボーンシリーズとか「デンジャラス・ラン」とかのCAIってひどいもんね(^^;


でハリウッドの有名メイクアップアーチストとプロデューサーを巻き込んでの「大作SF映画のロケハン」を装った救出作戦が始まる


これ、フィクションなら絶対にコメディ仕立てになるんだけど、そこは実話
本気で命がかかってて、下手すると戦争に発展する可能性だってあるわけだからみんな本気中の本気
もちろん、ところどころに息抜きのアメリカンジョークは織り込まれてるけど、基本シリアスなドラマ
(実際にそのあとのイランイラク戦争ではアメリカはイラクに支援と言う形で戦争に加担してるし)
エンドロールに実際の記録映像と作品内のシーンの対比がいくつか流れるんだけど、本当によく作りこんでる
キャストも実際の人質の人たちによく似せてる


ま、クライマックスはものすごいサスペンシブになってて、ここはさすがに演出だと思うんだけどね


これが実話で、それをアメリカ政府がず~っと情報隠蔽してたっていうのがまたびっくり



オープニングからしばらくは「キリングフィールド」(カンボジア革命に巻き込まれたジャーナリストの逃走劇を描いた実話で原作はピューリッツア賞受賞)か?って思うくらいに似てるんだけど、CAIが出てきたあたりからはこの作品の独自の世界観
あくまでも実話なんでフィクションのような怒涛の展開にはなりません
だからといって社会派ドラマのような形にもならない
だって、「トンデモ救出作戦の顛末はいかに?」ってのがウリなんだから
つまりは最初っから中途半端な感じになる宿命を背負ってるわけ



物語の終盤
作戦に巻き込まれた(っていうか、実質作戦を仕切ってた)ハリウッドのメイクアップアーチストとプロデューサーの会話
「歴史は喜劇に始まり悲劇に終わると言うが、今回は逆だな」と経済学者カール・マルクスの言葉を引用するのに「グルーチョか?」と茶化すシーンがある
冒頭で書いた経験を思い出してたった一人でほくそ笑んでた(^^;

「キリングフィールド」ほど骨太社会派でもなく、「ブラックホークダウン」ほどエンタータイメントでもなく、「プライベートライアン」ほど文学作品でもない
中途半端を覚悟の上で楽しめる人、当時の中東情勢のことを覚えてて時事問題とか国際紛争ねたが好きな人にしかお勧めしません




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