「危険なメソッド」
心理学者であり精神科医であるフロイトとユングの友情と別離のお話

昔、「ユダヤ人である自分への偏見が自分の学説への偏見にすり替わるのを恐れたフロイトがユングを抱きこんで批判をかわそうとするが、フロイトの不倫癖に辟易したユングに見捨てられた」っていう本を読んだ覚えがあったんだけど…
不倫癖はユングだったみたいだ(^^;
どこで記憶が捻じ曲がったんだろう?
たぶん、俺のフロイトへの偏見?(^^;
だって、なんでもかんでも性的トラウマに結び付けてるんだもん、エロいおっさんだと思うじゃん(笑
フロイトがユングのオカルト思考に批判的だったことは「ユングとオカルト」に書いてあったので知ってたんだけど…

ユダヤ人云々の部分はあってたので、まあ良しとしよう(^^;


ユングの不倫癖の原因となった患者であり愛人、のちに精神科医となるザビーナとの出会いと別れが話の中心

このザビーナが興奮を全て性衝動に結びつけちゃう人で、その性癖が被虐
ま、いわゆるM性の人
主治医としてかかわっていくうちにユングは逆調教されてS化してゆく

セックスシーンもないことはないんだけど、セックスそのもののシーンよりもスパンキングシーンのエロさがすごい

ただ…
「Sはサービスの“S”」という例のソフトSMと言う枠に収まっちゃってるんだ
「女が望むことを一生懸命考えて、実現させてあげる」っていうのはプレイ的にSに見えるけど、本質的には支配されてるM行為なんだぜ
「この女は俺のためにどこまで壊れてゆけるのか?」を追求してするのがサディズムだ

つまり、ここで描写されてるユングとザビーナの関係は一見ユングがSでザビーナがMに見えるけど、内面的には逆だ


この作品とは関係ないんだけど、ユングの残している研究症例にこんなものがある

入院患者であるその老女はいつも手を奇妙な形でせかせかと動かしていた
古くからいる看護婦に聞くと、彼女はなんと何十年もの間毎日同じ動作をただ繰り返しているのだと言う
その原因が気になったユングはすでに退職した看護師を探し当て、彼女が入院してきたときの事情を聞きだした
彼女は靴職人の男性に捨てられたことが原因で心の病になったのだという
思えば、彼女の動作は靴職人が皮を張る動作に似ていた
彼女は愛する男の動作を真似ることで幸せの時間を繰り返していたのか…

上から目線で自分の学説内に分類しようとするフロイトに比べると、ユングのこのやり方は奉仕型だといえる
本質的にユングはMなんだろう
だから愛人に逆調教されて、愛人の求める「サービスの“S”」になってしまったんだろうね

繰り返すけど、それはサディズムではない

でも、描写はエロい(笑



「メリエスの素晴らしき世界」+「月世界旅行」(カラー復刻版)
アカデミー賞作品「ヒューゴの不思議な発明」の中で語られている映画技術の父メリエスの功績を紹介するドキュメンタリーと代表作の2本立て
なによりもびっくりしたのは「月世界旅行」のスタッフにキューブリックがいたという事実!!

「ヒューゴの不思議な発明」を見てメリエスに興味を持った人、「月世界旅行」を観てみたいと思った人は絶対観るべき
映画を『記録』から『作品』に進化させた男の偉業に驚愕すること請け合い

特に、白黒フィルムに1コマ1コマ手作業で色を塗ったカラー化の手法とそれによって出来上がった作品の素晴らしさは圧巻
併映の「月世界旅行」はその手法でメリエス自身がカラー化した作品なので、カラーというギミックが作品の中でどう生かされているのかを体感することが出来る



実はもう一本「伏 鉄砲娘の捕物帳」というアニメを観たんだけど…
ぶっちゃけ評価する気にならない




現時点での今年観た映画のベスト5(5位が変動してんじゃん(^^;)
1.「おとなのけんか」ワンシチュエーションドラマ大好き、戯曲の映画化大好き、ポランスキー大好き♪
2.「The Lady アウンサンスーチー 引き裂かれた愛」政治に引き裂かれながらも強く結びつく家族愛に涙
3.「アンネの追憶」アンネの日記の後、収容所に送られてからのアンネ・フランクの実話、涙…
4.「マリリン 7日間の恋」映画製作の現場ってステキ
5.「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語」バッドエンドだいすきーーー!!

今年観たアニメでトップは間違いなくまどマギ前編!!!