君のお母さんの話を、もう少し書いてみよう。
君のお母さんと君は、性格的には真反対だ。
まるで、コインの裏表のようだ。
お母さんをひっくり返すと君になり、
君をひっくり返すとお母さんになる。
お母さんは4歳の時に、たった一日で ひらがな50音を
全部読めるようになった。
病院に連れて行った時に、駐車場に止まっていた車のナンバープレートのひらがなを
ひとつ一つ読み始めたんだ。
そうしたら、全てコレクトに読めていた。
ただの一つもインコレクトな読み方をしなかった。
What a difference a day makes.
たった一日で、お母さんはひらがなを全部読めるようになったんだ。
その前日まで、ただの一文字も読めなかったのに。
同じ4歳の時、保育園で運動会があった。
ほとんど子たちには、それぞれのお母さんたちが付き添いで参加していた。
でも君のお母さんには、僕がついていた。
「ママの方が良かったのかな!?」と、僕が言うと
彼女は「お父さんが好きだから、いいの!」と言って
僕の手をギュッと握り返した。
6歳の時には、こんなことを言ったことがある。
「バカっていう人が、バカなんだよ!」
それを聞いた僕は、ぶっ飛んだ。
凄いことを言うなって思った。これは、真理だったから。
誰かにきっとバカって言われたんだろうな!って僕は感じた。
でも、僕に心配かけまいと、自分なりに決着を付けようとしたのだろう。
だから僕は、そのことで深く聞くようなことはしなかった。
僕の中でも、この言葉で決着を付けた。
「バカっていう人が、バカなんだよ!」
君のお母さんは僕の娘だったけれど、
人間としてのリインカーネーション(輪廻転生)の回数は、
僕よりも倍ぐらい多かったのかもしれない!
僕が100回、人間としてリインカーネーション(輪廻転生)したとしたら、
君のお母さんは、200回リインカーネーションしたのかもしれないね!