君の世界の中では、僕はおそらく脇役だろうな。
もしかしたら、端役なのかもしれないよ(あるいは、エキストラかもね)。
僕という人は、君の世界の中では思考することが出来ない。
そして、感情も持っていない。
だから君の世界の中の僕は、何かを考えたりしないし、笑ったり、怒ったり、悲しんだりもしない。
つまり、君の世界の中には、僕の人生なんてものはない(生きてはいない!)
君の世界の中での僕は、君の思考物質によって勝手にイメージ化されていて、君の関与なしでは何も出来ない存在なんだ。
君の双子の妹さんの中でも、僕はそのような存在になっている。
ただ、妹さんの方がもしかしたら、僕は少しばかり重要な脇役になれているのかもしれないけれどね。
でもそれは、妹さんの思考物質に直接訊いてみないことには分からないだろうな(そんなことは、実際インポッシブルだけどね)。
妹さん本人に訊いてみたって、きっと分からないに決まっている。
本人の脳では、そんなことは全く関与など出来ないからね。
それは、妹さんの思考物質が半ば自動的に、他人である僕を勝手にイメージ化しているからなんだ。
そしてね、ここがちょっと重要なところなんだけれどね、君の世界と妹さんの世界とでは、僕は同一の人格にはなっていないんだ。
僕は、君と君の妹さんとでは違うように接してきた。
君にしか云わなかったことがある代わりに、妹さんにしか見せなかった僕の側面を、彼女は知っているからね。
僕は、僕に関係する全ての人たちのそれぞれの世界(パラレルワールド)の中で、それぞれ別々の僕として存在している(別々の人格を持った僕として)。
そこでの僕は、思考することが出来ない。
感情を持つことも出来ない(それぞれの人の世界の中に、僕は関与出来ないからね)。
僕の世界の中で思考しているのは、僕だけ。
君の世界の中で思考しているのは、君だけ。
そして君の妹さんの世界の中で思考しているのは、妹さん本人だけ。
僕らは、そうやってそれぞれ別々の世界を創って、その中で日々暮らしている。
そして、僕らが佇立している地面はソリッドであると、僕らは勝手に認識しているけれどね、本当はソリッドじゃないよ!
そこはね、フルーイドなんだ。
つまり、本当は実態なんて何もないんだ(無だ!)。
僕らの思考物質が、そこはソリッドな地面なんだとイマジンしているから、僕らはそうだ!って勝手に思っているにすぎない(催眠術にかかっているみたいにね)。
地面だけじゃない。
君という人だって、君の妹さんだって、そうなんだ。
君という人は、本当はいない!
君の妹さんも、本当はいない!
君と君の妹さんは、僕が勝手にイマジンして創ったアバターなんだ。
そういう僕自身だって、僕の思考物質が創ったアバターなんだ。
人間なんてね、みんなそれぞれの人たちが自分自身でメタファー(仮想空間)を創造していて、そしてその中で、いろいろと経験をしているんだ。
そして僕らは、その経験のことを勝手に〈人生〉って呼んでいるんだよ。
僕らの人生は、本当は幸せなんて求めてなんかいない(僕らは、本来幸せだからだ!)。
僕らの魂は、経験することを求めているんだ。
ソリッドな肉体を使って、経験することをね。