マカ君は地下鉄を終点で降りると、そのまま人の流れと共に前へと進んで行った。
やがてその先には、長い長いエスカレーターが現れてきた。
エスカレーターは、どうやら地上へと続いているようだった。
マカ君が地上へ出てみて、先ず彼がしたことといえば、感嘆の声を上げることでしかなかった。
東京都内でいろんな駅を降りたマカ君であったが、ここには奇妙な匂いのようなものを感じた。
そこは、東京であるような感じが全くしなかったのだ。
エスカレーターの上がった先の右側には大きなショッピングモールがあり、前方には巨大ともいえるような広い広い道路が左右に走っていた。
道幅はおそらく50mはあるだろう、とマカ君はその距離を目測した。
有事の際には、戦車や大型軍用車が充分通れそうだった。
小型の戦闘機なら離発着できそうなぐらい、その道路は広くそして何処までも真っすぐに延びていた。
道路の向こう側には、高層の巨大団地群が何十棟もきちんと並んで建っていた。
団地に住んでいる人たちにとっては、駅やショッピングモールに出る際に、この広い道路を横断するのはとても大変そうに思えた。
ショッピングモールの隣りは、これも又巨大な公園になっていた。
こんなにも広い公園を、マカ君はこれまで見たこともなかった。
おそらくその広さは、東京ドーム数十個分はゆうにありそうだった。
マカ君は、公園と並行して走っている道路に歩を進める。
中学校らしき建物が見えた。
その辺りから、公園の中へと歩いて入ってみた。
やがて公園のほぼ中央辺りと思われる場所に着くと、そこには大きな噴水⛲があった。
豊富な水量の水を、10mぐらいの高さまで噴き上げていた。
そしてその脇に、彼が2年もの間探し求めていた建築物があったのだ。
そこだけが何かで切り取られた絵のようでもあった。
しかしそれは、確かにソリッドな形を持った、白いペンキで塗られた二階建ての洋館であったのである。
その洋館を目視した刹那、マカ君の目頭が熱くなってきた。
とうとう見つけたのだ。
ナオミさんの家を❗
マカ君はゆっくりとした歩調で、少しずつその家へと歩み寄ってゆく。
間違いない❗ これは僕が長い間探し求めていたナオミさんの家なのだ❗
マカ君は、玄関のドアをノックしてみる。
なにしろ大正時代の建造物だ。ドアホンなどはない。
もう一度、今度は少し強めにノックしてみたが、返事はない。
留守なんだろうか?と、思いつつも、ドアノブを回すと、ドアは簡単に音もなくギィーっと開いた。
To be continued
「このブログ、ちょっと待った❗」
「どうしたの?ヒゲ爺」
「おかしいだろ?最後の一行を読んでみろ」
「どこが変なのかしら?あたしには解らないわ」
「リーザ、お前はバカか?よく見ろ!〈音もなくギィーっと開いた〉と書いとるじゃないか。音がないと云っておきながら、ギィーっとという音の表現をしとるのはけしからん奴だ」
「いいじゃない。あたしはこっちの書き方の方が、緊迫感とか緊張感とかが伝わってくるような気がするんだけどな」