仁科峠(AP2)をリスタートしてすぐに登り。
振り返ると仁科峠のエイドを挟んで、きれいな風景が広がっているように見えますが…
非常に気持ち良さそうに見えるのは写真だけの話で、実際には強風に吹きさらしの過酷な状況でした。
このあたりは海岸から吹き上げる風が強烈!
突風に吹き飛ばされそうになり、トレイル右手に群生する笹の中に落ちそうになりました。
ちょうど前を進んでいた女性ランナーは、あまりの強風に前に進むことができずに座り込んでいました。
ここから先は吹きつける風、そして寒さとのたたかいでした。
それでも周りの景色はなかなかお目にかかることができないようなもので、過酷な中でもけっこう景色を見ながら走ったな~
このあたりを走る伊豆山稜線歩道は、とてもきれいに整備された自然歩道でした。
こんなトレイルが身近にあるとすごく楽しくトレーニングできそうです。(急な登りもたくさんあったので、楽しくない箇所もありましたが…)
すでに使い果たした感のある両足は、登りではまったくいうことをきいてくれず、前半で勢いよく登っていた感じでは進むことができません。トボトボと敗残兵のごとく、一歩一歩前へと進んで行くのみ。
ただ、不思議なことに下りになると走れるんですよ、これが。
この辺りは木材を並べて階段状にした上り下りがほとんどだったんですが、この木材が丸太ではなくて四角くカットされた木材。しかも丁度いいことに、並んでいる幅がボクのストライドにほぼ合うため、この四角の木材を踏みながらポンポンと下りていけました。
そして、この伊豆山稜線歩道を走っているときにふと我に返って…
「あ~、オレ、まだ走ってるやん…」
って思わずつぶやきました。
山の中をここまで50km近く走ってきて、それでもまだゴールを目指して走っている自分に嬉しくなって、思わず口をついて出た言葉。
たぶん顔は笑っていたと思います。
完全にドM覚醒。。。爆
やがてロードに出ると、そこからはひたすら登り。
もはや走る力は残っておらず、黙々と歩き続けて…
AP3の土肥駐車場に到着!
スタートから10時間41分35秒、53.6km地点です。
(t3c&フットポッドでは10時間41分37秒、52.08km)
エイドに到着して真っ先に確認したのがトイレ。
幸いにして2人しか並んでいなかったので、すぐに用を済ませることができました。
エイドではバナナと塩、黒糖あめ、そして温かいコーヒーをいただきました。
強風のため、テントの幕は取り外して骨組みだけになっていました。すでに夕方、だんだんと寒くなる中、スタッフの皆さん、ありがとうございます!
駐車場にはバスが止まっていました。
リタイヤする選手や関門に間に合わなかったランナーを拾っていくバスです。
ここでコイツに乗れば楽に修善寺までたどり着けるんですが、悪あがきは終わりません!
AP3の土肥駐車場の関門時刻は、スタートから11時間後の17時00分。
エイドでの滞留時間が15分程度だったので、リスタートは17時の少し前。
相変わらず厳しいところで乗り切っていますが、AP2の時に比べると少し余裕ができて、尚且つ、このあとは最後の難関、達磨山を越えればあとは下り基調。
何とかなりそうなメドがついてきた…ような気がする…感じでリスタート。
土肥駐車場から先は再びトレイルに侵入。
所々でロードに出る部分もありましたが、達磨山まではひたすら過酷な登りのトレイルでした。
その途中で前方に見えた富士山。
後から聞いた話では、上位のランナーが通過したときには天候が回復してなくて、まったく見えなかったとのこと。遅いランナーだけのご褒美といったところでしょうか。。。
さらに進むと西に沈む夕日で、海の方が夕焼け空に。
残念ながら雲がかかっていて、夕日そのものは見られませんでしたが…
夕日をあびてオレンジ色に染まる富士山。
(写真では今イチ、オレンジ加減が伝わりませんね)
絶景で心が洗われましたが、達磨山までの道は険しくもうヘトヘト、、、
辺りも薄暗くなってきたので、ちょうど登りきったところでザックを下ろして休憩がてら、ヘッドランプを取り出して装着しました。
座り込んだついでにSAVASのPIT IN リキッドを摂取するも、これがマズくてなかなかノドを通らない、、、
ふと前を見ると、かなり前から同じくらいのペースで走っている女性ランナーが、何やらバリバリとかじって食べていました。話してみると、ゼリー系は苦手だけど固形物は食べられるとのこと。ロングのレースに出場するたびに思うんですが、内臓が丈夫な人ってホント、羨ましいです。。。
ここから先はほぼ下り。
戸田峠を越え、だるま山レストハウスを通過し…
この辺りになるとだいだい残り時間と距離で、おおよそ間に合うのかどうかが計算できるようになってきました。
AP3の通過時には少し余裕(?)があるような感じでしたが…
やはり蓄積した疲労はいかんともし難く、達磨山を越えるのにものすごく時間をかけてしまったようで、けっこう走り続けないと制限時間には間に合わない!
残り10kmほどは、今までのレースでは経験したことがないほど走り続けました。
コース警備のスタッフからは、「間に合いますよ~」という声が飛んできましたが、それは恐らく「このペースで走り続けることができたら」という条件付きと思われ…とにかく走る!
民家が現れ、ゴールが近くなると、家から出てきて応援してくれる住民の方がたくさん!
ゴール手前の500~600mのあたりでは、手作りの応援看板を家の軒先に掲げて応援してくれたり、家の前で拍手で迎えてくれたり…。こんな遅い時間まで、本当に感謝です!
そして走り終えたランナーの方なのか、応援の方なのか…、沿道から「ナイスラン!」と声をかけていただき、ハイタッチで出迎えてくれました。こういうのがあると、もう動かないと思っていた脚がまた動き出すから不思議です。ありがとうございます!
時計とにらめっこしながら最後の10kmを走りきり…
19時56分20秒にゴールの修善寺 独鈷公園に到着しました!
13時間56分20秒…
制限時間の14時間に何とか間に合いました!
ゴールでは鏑木さんと千葉さんが出迎えてくれました。
お二人の顔を見たときは涙が出そうになりました。
握手をして、「楽しかったです。ありがとうございました」と、一言だけでしたが、こんな素晴らしい大会を開催してくれたことへのお礼の気持ちを。。。
公園の片隅に座り込んで、ゼッケンに付いているICタグを取り外そうとしていたところに、ちょうどなべさんがやってきました。
ゴールできたら、又はリタイヤしたら、なべさんにメールすることにしていたのですが、開会式の時と同様に、タイミング良く会うことができました。
ボクが時間内にゴールしていたことを喜んでくれてガッチリ握手。
いや~、めちゃくちゃ嬉しかったですよ♪
タイムはともかく制限時間内にゴールできたので、70kmのトレイルランニング・レースを完走!という実績ができました。
70kmといえば萩往還マラニックも同じ距離ですが、過酷さの次元がまったく違う…
やはりトレイルランニングというカテゴリーのレースはスゴイです。
鏑木さんは「旅を楽しんでください」と言ってましたけど。。。
タイムや順位を競うレベルでは到底参加できませんが…
自然の中で自分の限界を試す、身体の状態を考えながらペースを作っていく、エネルギー補給のタイミング、気候に応じた理想的なウェアリングの実践…などなど、タイムや順位とは違ったところでトレイルを楽しむことも、ロングのレースの魅力だと思います。
また機会を見つけて、次のステップを目指したいと思います。
振り返ると仁科峠のエイドを挟んで、きれいな風景が広がっているように見えますが…
非常に気持ち良さそうに見えるのは写真だけの話で、実際には強風に吹きさらしの過酷な状況でした。
このあたりは海岸から吹き上げる風が強烈!
突風に吹き飛ばされそうになり、トレイル右手に群生する笹の中に落ちそうになりました。
ちょうど前を進んでいた女性ランナーは、あまりの強風に前に進むことができずに座り込んでいました。
ここから先は吹きつける風、そして寒さとのたたかいでした。
それでも周りの景色はなかなかお目にかかることができないようなもので、過酷な中でもけっこう景色を見ながら走ったな~
このあたりを走る伊豆山稜線歩道は、とてもきれいに整備された自然歩道でした。
こんなトレイルが身近にあるとすごく楽しくトレーニングできそうです。(急な登りもたくさんあったので、楽しくない箇所もありましたが…)
すでに使い果たした感のある両足は、登りではまったくいうことをきいてくれず、前半で勢いよく登っていた感じでは進むことができません。トボトボと敗残兵のごとく、一歩一歩前へと進んで行くのみ。
ただ、不思議なことに下りになると走れるんですよ、これが。
この辺りは木材を並べて階段状にした上り下りがほとんどだったんですが、この木材が丸太ではなくて四角くカットされた木材。しかも丁度いいことに、並んでいる幅がボクのストライドにほぼ合うため、この四角の木材を踏みながらポンポンと下りていけました。
そして、この伊豆山稜線歩道を走っているときにふと我に返って…
「あ~、オレ、まだ走ってるやん…」
って思わずつぶやきました。
山の中をここまで50km近く走ってきて、それでもまだゴールを目指して走っている自分に嬉しくなって、思わず口をついて出た言葉。
たぶん顔は笑っていたと思います。
完全にドM覚醒。。。爆
やがてロードに出ると、そこからはひたすら登り。
もはや走る力は残っておらず、黙々と歩き続けて…
AP3の土肥駐車場に到着!
スタートから10時間41分35秒、53.6km地点です。
(t3c&フットポッドでは10時間41分37秒、52.08km)
エイドに到着して真っ先に確認したのがトイレ。
幸いにして2人しか並んでいなかったので、すぐに用を済ませることができました。
エイドではバナナと塩、黒糖あめ、そして温かいコーヒーをいただきました。
強風のため、テントの幕は取り外して骨組みだけになっていました。すでに夕方、だんだんと寒くなる中、スタッフの皆さん、ありがとうございます!
駐車場にはバスが止まっていました。
リタイヤする選手や関門に間に合わなかったランナーを拾っていくバスです。
ここでコイツに乗れば楽に修善寺までたどり着けるんですが、悪あがきは終わりません!
AP3の土肥駐車場の関門時刻は、スタートから11時間後の17時00分。
エイドでの滞留時間が15分程度だったので、リスタートは17時の少し前。
相変わらず厳しいところで乗り切っていますが、AP2の時に比べると少し余裕ができて、尚且つ、このあとは最後の難関、達磨山を越えればあとは下り基調。
何とかなりそうなメドがついてきた…ような気がする…感じでリスタート。
土肥駐車場から先は再びトレイルに侵入。
所々でロードに出る部分もありましたが、達磨山まではひたすら過酷な登りのトレイルでした。
その途中で前方に見えた富士山。
後から聞いた話では、上位のランナーが通過したときには天候が回復してなくて、まったく見えなかったとのこと。遅いランナーだけのご褒美といったところでしょうか。。。
さらに進むと西に沈む夕日で、海の方が夕焼け空に。
残念ながら雲がかかっていて、夕日そのものは見られませんでしたが…
夕日をあびてオレンジ色に染まる富士山。
(写真では今イチ、オレンジ加減が伝わりませんね)
絶景で心が洗われましたが、達磨山までの道は険しくもうヘトヘト、、、
辺りも薄暗くなってきたので、ちょうど登りきったところでザックを下ろして休憩がてら、ヘッドランプを取り出して装着しました。
座り込んだついでにSAVASのPIT IN リキッドを摂取するも、これがマズくてなかなかノドを通らない、、、
ふと前を見ると、かなり前から同じくらいのペースで走っている女性ランナーが、何やらバリバリとかじって食べていました。話してみると、ゼリー系は苦手だけど固形物は食べられるとのこと。ロングのレースに出場するたびに思うんですが、内臓が丈夫な人ってホント、羨ましいです。。。
ここから先はほぼ下り。
戸田峠を越え、だるま山レストハウスを通過し…
この辺りになるとだいだい残り時間と距離で、おおよそ間に合うのかどうかが計算できるようになってきました。
AP3の通過時には少し余裕(?)があるような感じでしたが…
やはり蓄積した疲労はいかんともし難く、達磨山を越えるのにものすごく時間をかけてしまったようで、けっこう走り続けないと制限時間には間に合わない!
残り10kmほどは、今までのレースでは経験したことがないほど走り続けました。
コース警備のスタッフからは、「間に合いますよ~」という声が飛んできましたが、それは恐らく「このペースで走り続けることができたら」という条件付きと思われ…とにかく走る!
民家が現れ、ゴールが近くなると、家から出てきて応援してくれる住民の方がたくさん!
ゴール手前の500~600mのあたりでは、手作りの応援看板を家の軒先に掲げて応援してくれたり、家の前で拍手で迎えてくれたり…。こんな遅い時間まで、本当に感謝です!
そして走り終えたランナーの方なのか、応援の方なのか…、沿道から「ナイスラン!」と声をかけていただき、ハイタッチで出迎えてくれました。こういうのがあると、もう動かないと思っていた脚がまた動き出すから不思議です。ありがとうございます!
時計とにらめっこしながら最後の10kmを走りきり…
19時56分20秒にゴールの修善寺 独鈷公園に到着しました!
13時間56分20秒…
制限時間の14時間に何とか間に合いました!
ゴールでは鏑木さんと千葉さんが出迎えてくれました。
お二人の顔を見たときは涙が出そうになりました。
握手をして、「楽しかったです。ありがとうございました」と、一言だけでしたが、こんな素晴らしい大会を開催してくれたことへのお礼の気持ちを。。。
公園の片隅に座り込んで、ゼッケンに付いているICタグを取り外そうとしていたところに、ちょうどなべさんがやってきました。
ゴールできたら、又はリタイヤしたら、なべさんにメールすることにしていたのですが、開会式の時と同様に、タイミング良く会うことができました。
ボクが時間内にゴールしていたことを喜んでくれてガッチリ握手。
いや~、めちゃくちゃ嬉しかったですよ♪
タイムはともかく制限時間内にゴールできたので、70kmのトレイルランニング・レースを完走!という実績ができました。
70kmといえば萩往還マラニックも同じ距離ですが、過酷さの次元がまったく違う…
やはりトレイルランニングというカテゴリーのレースはスゴイです。
鏑木さんは「旅を楽しんでください」と言ってましたけど。。。
タイムや順位を競うレベルでは到底参加できませんが…
自然の中で自分の限界を試す、身体の状態を考えながらペースを作っていく、エネルギー補給のタイミング、気候に応じた理想的なウェアリングの実践…などなど、タイムや順位とは違ったところでトレイルを楽しむことも、ロングのレースの魅力だと思います。
また機会を見つけて、次のステップを目指したいと思います。