寒くなってスープや煮込み率の高まってきた料理研究家・さわけんです。
ポットパイもいい頃になってきましたね!
KFCのきのこのポットパイはポルチーニ入りって知ってました?
それはさておき、今日はポットにかぶせたパイを膨らませるお話です。
意外とみなさん膨らんでいないようなので、ここはひとつさわけんさんが確実に膨らませますよ!
まずはなぜ膨らむかと言いますと、
・パイ生地が生で形が固まっていないうちにスープの蒸気でポットの中から押されて膨らむ。
これが全てですが、これを実現するには重要項目4つの確認が必要です。
1、パイ生地の形が変わるうちに蒸気を発生させる。
パイ生地が焼けたら形が固まってしまいますので、それ以前に蒸気の押し上げがないといけない訳です。
蒸気はスープの液体から発生しますので、結構早いタイミングで熱くなって欲しいのです。
でもアツアツのスープを使うとパイ生地を上にかけたらすぐにパイ生地が柔らかくなり、結果的にポットの中に落ちたり穴が開いたりします。
パイ生地を温めるのはNGな訳です。
ちなみにパイ生地を綺麗に焼くには高温(200度以上)で焼き始めて形が決まってから水分を抜いていくのが理想的です。
低い温度でパイ生地を焼くと表面から溶けたようになってしまいますので要注意です。
2、話を戻すと、スープは冷たいより常温くらいが理想です。そして液体を入れる分量は少なめな方がいいです。
なぜなら量が少ない方が水分が温まるのが短時間で、蒸気がパイ生地を押し上げる時にパイ生地が柔らかい可能性が高いからです。
とは言ってもスープなので食べさせたい分量を入れましょうね!
器も量が7分目程度になるようなものを選ぶといいですね。
ちなみパイを膨らませるという目的だけなら器は熱伝導率がいい金属の方が優秀です。
でもスープという料理を考えると、磁器や陶器の焼き物の方が温かみがあっていいと思いますよ。
さてこれで陶器の器に常温のスープが入りました。
あとはパイをかぶせて焼くだけです。
3、パイ生地で重要なのは厚みです。最低でも3mmは欲しいところです。
薄いと焼き始めてすぐに柔軟性がなくなってしまい、蒸気が出る頃には平らな形に固定されていて膨らみません。
市販品のパイシートを使うならそのまま使いたいところです。
ま〜ポットパイですから、何かの残りのパイ生地をまとめて作った2番生地を3mmに伸ばして使った方が幸せになれる気がします。
そんな2番生地を伸ばしたら1時間は置きましょうね。
伸ばして即、切って貼り付けると、伸ばした方向にグイグイ縮んでしまいます。
結果、円形に切って作ったはずが楕円形に焼上がり、ポットとパイ気にの間に隙間ができたりします。
というわけでシートに伸ばして1時間休ませた2番パイ生地をポットの形に合わせて切って「水」を薄めに塗ってポットの上にかぶせましょう。
そして器にしっかり貼り付けます。
卵ではなく水を塗るのは焼いた時に器とパイとの間に色づかないようにするためです。
色はパイの外側だけで十分ですので、とき卵はかぶせたパイの表面に塗りましょう。
無事パイがかぶさったので焼きます。
4、パイを焼く温度はもう出てきましたね!200度オーバーで焼き始めます。
5分もすれば膨らんできてすぐにまん丸く膨らみます。
あとはいい色がつくまで30分程度焼いてください。
30分は長いよ〜と思ったあなた!パイの焼きが薄くないですか?
パイはしっかり焼いた方がいいですよ〜。
というわけでこれを守ってポットパイをまん丸に焼いてみてください。
キッチンまわり評論家・科学する料理研究家 さわけん。