【前回までのあらすじ】
協力というものを最大限にしたい場合の集団や組織という視点から考察をしてきたが、合理性を追求しつづけるとある地点で限界を迎えることがわかった。それでは「個」の視点からはどうだろうか。

ブラ三のオフ会に行った時に、某同盟ではカード雑談部屋を課金程度に応じて設けていると聞きました。無課金部屋と課金部屋。ここでそもそも軽課金とか、微課金とかよく使われているが、実際の額にするのは難しい。たとえば、デッキ課金はするが、ダスは引かないとか。個人差はいろいろあるので、この同盟では、「無理のない課金」を無課金部屋の名前にしているとのことでした。いづれにせよ程度の差は出てしまいますが、僕はなんとなく、教訓を含んでいるようにに思いました。

先日、ものづくりの現場の改善に関する講演を聞いていろいろ思うところがあったんですが、「日本の失われた20年」なんて言われるが、生き残った現場にとっては「苦闘の20年だった、夜明けはもうすぐだ」なんて聞くと、自分と関係ないけど元気がでました。20年前は中国の労働賃金1万円、日本は20万円だったとすると、今のある業態は、中国5万:日本20万(この数字はたとえ話です)になっているそうです。日本はこの20年間まったく給料が上がっていないが、中国の人件費の環境はだいぶ変わってきたそうです。日本のものづくり現場で生き残ったところは、この間生産性を3倍~5倍に上げたところもあるそうです。単純に計算すれば、人件費は中国より4倍高くても、生産性が5倍高ければ、勝てるのです。というか、勝ち始めているというのです。

さて、財閥をやめてしまった日本は巨大な資本を投入できないのですが、じゃあどうしたらいいんでしょうか。高額なハイテク機器装置を工場にガンガン並べて生産性をあげるような芸当はマネしづらいです。そうじゃないならば、外国の競争相手も面倒臭くて投げ出しちゃうような複雑で調整を常に要するような設計で勝負、ローテクでも勝ててる中小企業はあるんだそうです。

ブラ三でも無(微)課金ですごく強い人がいる。ゲームが上手いというのもあるんでしょうが、ブラ三の仕様というかルールをよくわかっていて、潮目を読んでいるし、たぶん「作業」と言われる操作をきっちりやっているのでしょう。ブラ三はゲームでエンターテイメントとしてプレーしているのに、リアルのように、「作業」をしなければ強くなれない。ブラ三はリアルの縮図という人もいます。ブラ三の世界はリアル同様に格差が広がっていますが、やはりゲームなんでリアルほどしがらみや複雑で面倒な事柄は少なく、シンプルです。


それでは次回から「個」の視点へ展開していきます。