トヨタの米国巨大電池工場が正式稼働、他の電池メーカーも続々集結
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日経クロステック/日経エレクトロニクス編集委員
トヨタ自動車は2025年11月13日(米国時間12日)、米国・ノースカロライナ州に建設した電池製造工場「Toyota Battery Manufacturing, North Carolina(TBMNC)」の開所式を行い、「改めて生産開始について発表」(同社)した(図1)。同社は2025年2月に、生産準備が整って同年4月には出荷を始めるとしていた。実際には同年6月に出荷を始めたとする。何らかの理由で開所式だけ遅れていたもようだ。
図1 トヨタ自動車のノースカロライナ電池工場
(出所:Toyota USA)
この電池工場では、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HEV)向け電池をそれぞれ製造する。製造ラインは現時点で10ライン。ただし、実際に量産フェーズなのはHEV向けの4ラインで、EV(またはBattery EV:BEV)向けのラインは稼働はしているものの、トライアルの段階だという。
製造量や製造ラインは今後も段階的に増やしていき、2030年には計14ライン、年産30GWhを超える生産規模になる見通しだという。従業員は最大5100人。同電池工場への投資額は約140億米ドル(1米ドル=150円換算で約2兆1000億円)だという。
トヨタ自動車は日本国内では、子会社のトヨタバッテリー(旧プライムアースEVエナジー)がHEV向けの蓄電池を生産しているが、規模は大きくはないもようだ(図2)。一方、前述の米国工場での30GWh超は世界の大手電池メーカーに仲間入りする水準で、事実上の電池メーカーデビューといえる。
図2 トヨタバッテリーが製造するHEV向け蓄電池セル
(写真:日経クロステック

