米巻き込み対日外交圧力 高市政権を間接非難 台湾有事発言・中国
【北京時事】中国の習近平国家主席は、トランプ米大統領との電話会談で台湾問題について協議し、同問題を巡る高市早苗首相の発言を間接的に非難した。 【ひと目でわかる】台湾有事のイメージ トランプ政権を巻き込む形で日本への外交的圧力を強めるとともに、米国の支援を受ける台湾に揺さぶりをかける狙いだ。 トランプ氏と習氏はこれまで、立場の違いが大きい台湾を主要議題とせず、通商の溝を埋めることに注力してきた。中国側が今回、あえて敏感な台湾問題を持ち出したのは、10月の会談を経て米中の貿易摩擦が「休戦」状態となり、トランプ氏から対中融和的な発言を引き出しやすいと踏んだことが背景にあるもようだ。 共産党機関紙系の環球時報(電子版)は25日、米中首脳が「率直な意思疎通によって台湾問題の重要性を明確にし、外部勢力の口出しを許さないと示した」とする記事を配信し、成果を誇示した。 習政権は官民一体となって国内外へ向けた対日批判キャンペーンを展開。メディアは連日、「日本で高市氏の辞任を求める声が高まっている」と宣伝している。 しかし、高市政権は発言を撤回する気配を見せず、中国の思惑に反して高支持率を維持しているのが現状だ。習政権としても、レアアース(希土類)の輸出規制といった国際社会の強い反発が予想される対抗措置にまで踏み切ることは避けたいのが本音とみられる。「次の一手」に苦慮する中、外交面での圧力をじわじわと強化することで、日本側の譲歩を引き出したい考えだ
米巻き込み対日外交圧力 高市政権を間接非難 台湾有事発言・中国(時事通信)
