インピーダンス補正用の専用ボックスが付属

TOA、初の“コンシューマー向けスピーカー”「ME-50FS」 。Dクラスアンプ内蔵でペア約200万円

 
 
2025/10/27
 
 
ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
 
 

TOAは、ブランド初の“コンシューマー向けスピーカー”「ME-50FS」を今夏より発売している。クラスDアンプを内蔵、別筐体のインピーダンス補正用回路がセットになっている。価格はオープンで、ペア税込2,000,000円前後での実売が予想される。

 

 

 

 

 

 

 

TOA アクティブスピーカー「ME-50FS」

 

TOAは、非常用放送設備や防災用スピーカーといった業務用音響機器で大きな強みを持つ日本メーカー。鉄道車両の放送設備やカメラ設備のほか、会議用システムや商業施設の天井埋め込み型スピーカーにも幅広く展開されており、ブランド名は知らなくとも実は日常的にお世話になっている会社である。「ME-50FS」は、同社による初の“コンシューマー向け”を狙ったスピーカーとなっている。

ユニットは、25mmマグネシウムトゥイーターと、10cmコーン型ウーファーを2基搭載。NCoreを採用したクラスDアンプを内蔵しており、アンプ出力は250W。バーチ合板にウレタン塗装を施したキャビネットとなっており、フロントにバスレフポートを搭載する

 

 

 

 

 

 

 

 

「ME-50FS」の背面端子。アナログのRCA、XLR端子を各1系統装備する

 

 

特徴的なのはインピーダンス補正用のパッシブ回路が収められた外付けボックスが、左右1台ずつセットとなっており、スピーカー本体と専用ケーブルで接続して使用する点。デジタルプロセッサーでは解消できないスピーカーのインピーダンス変動を補正するものとなっている

 

 

 

 

 

 

“TOAの音”を追求するという狙いの下、「スピーカー自体の存在が消え、透明な窓ガラスではなく、ガラス自体の存在が消える(音楽だけが存在する)音」を目指して開発をスタートしたとのこと。

業界関係者向けに披露したところ、非常に反響が大きかったことから一般発売を決意したという。なお、すべて京都府綾部市にある自社工場にて生産が行われている。

生演奏や自然音などとの比較実験による検証のほか、聴能形成のための社内音響教育にも力を入れており、特性と聴感の双方を重視して製品開発を行ったと同社は説明している