脚の骨を折って背を伸ばす「脚延長手術」を受ける男たちがトルコに殺到

 
 

背が低いのは呪いだ

 
 
 

 

ガーディアン(英国)

 

Text by Ruth Michaelson

 

脚の骨を意図的に折ったあと、器具で強制的に筋肉と腱を引き延ばすという、まるで拷問のような手術を受けるために、世界各地からトルコへ悩める男たちが飛んでくるという。英「ガーディアン」紙が、その生々しい現場をレポートする。


クアラルンプールでの新婚旅行中、ホテルの窓から世界最高峰のツインタワーの銀色に輝く頂点を眺めていたとき、フランクは身長を高くするときがきたと悟った。彼は最近、10代の頃から身長について悩んでいることを新妻に打ち明けていた。

自分磨きに熱心な男として行動を起こしたいと考えていた彼は、脚延長手術を専門とするトルコのクリニック「ワナ・ビー・トーラー」に電話をかけ、予約を入れた。彼はこう振り返る。

「かなり迷いました。結局のところ、誰かに自分の脚を折ってもらうわけだから

 

彼は、イスタンブールのホテルのベッドで上半身を起こし、両脚を前に投げ出していた。それぞれの太ももには器具を装着している。手術をしてからの2週間、フランクはトイレの出入りにも妻のエミリアの助けが必要だったが、6週間経ったいまでは、主にベッドから起き上がるときだけ助けを必要とする。

アラームの音が会話を遮る。フランクの太ももの側面にある金属器具に鍵を差し込み、回転させて、大腿骨に挿入されたロッドを強制的に引き離す時間だ。そうやって骨折させた大腿骨のあいだにできた柔らかい骨を引っ張って、1ミリずつ伸ばしていくのだ。

鍵を回す回数によって患者の脚がどれだけ成長できるかが決まり、フランクは医師推奨の1日4回ではなく5回を目指している

 

 

 

身長5フィート6インチ(約167.64センチ)で、世界の男性平均身長よりわずかに低い38歳のフランクは、「背の低い男」としての人生を送ってきた。彼は、身長5フィート5インチ(約165センチ)のエミリアとの身長差をさらに広げようと決意しており、9センチの延長を目指している。これは、医師が筋肉と腱が安全に対応できる限界とした8.5センチを上回る数字だ。

1日5回の器具調整は、10週間にわたる、1日1ミリ強の成長を意味する。それは決して楽ではない

 

 

 

 

一般の人からすれば、脚延長手術は中世の拷問のように見えるだろう。その日の早い時間に、理学療法士がフランクの新しい脚をそれぞれ慎重に持ち上げると、彼は痛みでうめいていた。

彼は2回の手術のうち、最初の手術から回復している最中だ。この手術で大腿骨を折り、金属製のロッドを挿入し、固定器具を取り付けた。2回目の手術では、固定器具を取り除く。患者によってはさらに背を高くするために、すねの骨を折る手術を追加でおこなう場合もある。

だが、本当の地獄はそのあとに始ま

 

 

 

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