NYで路上のゴミを拾いつづける遅咲きの日本人アーティスト、
上松祐司
ニューヨーク・タイムズ(米国)
Text by Arthur Lubow
ニューヨーク在住のアーティスト、上松祐司は路上のゴミに触れることを厭わない。彼はこれらの「断片」を通じて、人間のエゴ、環境、異国に暮らす自分自身を探究し、大きなスケールの作品を作り上げる。ニューヨークでの展示に伴い、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が取材した。
断片に思いを馳せる
6月下旬のある朝、アーティストの上松祐司(あげまつ・ゆうじ)は、視線を地面に向けながらブルックリンのクラウンハイツ地区にあるイースタン・パークウェイを歩いていた。ロリポップの棒、瓶のふた、割れたガラスの破片など、土や雑草の間に隠れた、誰も気に留めないようなものを探すためだ。
「たくさんのものが落ちています」と上松は言う。「使い捨てのデンタルフロスも多いですね。この辺りを象徴するようなアイテムです。ベンチの周りには、キャンディの包み紙やアイスの棒が山ほどあります」
彼は地面を愛おしむように軽くたたいた。「私は、ものの断片に惹かれるんです。それぞれが、かつての姿を想起させてくれるので」
「たくさんのものが落ちています」と上松は言う。「使い捨てのデンタルフロスも多いですね。この辺りを象徴するようなアイテムです。ベンチの周りには、キャンディの包み紙やアイスの棒が山ほどあります」
彼は地面を愛おしむように軽くたたいた。「私は、ものの断片に惹かれるんです。それぞれが、かつての姿を想起させてくれるので」