JR有楽町駅前のビル跡地を文化拠点として暫定利用、三菱地所とNOT A HOTELがタッグ
木下 順平
日経クロステック/日経アーキテクチュア
JR有楽町駅前のビル跡地を文化拠点として暫定利用、三菱地所とNOT A HOTELがタッグ | 日経クロステック(xTECH)
東京都千代田区のJR有楽町駅前に2026年度、アートや日本カルチャーの発信拠点が誕生する。三菱地所が再開発に向けて解体中のビルの跡地を暫定利用する。NOT A HOTEL(東京・渋谷)と協働し、国内外のトップクリエーターをプロデューサーとして招聘(しょうへい)。観光客を引き付け、次の街づくりの方向性を探る。
名称は「YURAKUCHO PARK(有楽町パーク)」。現在解体が進んでいる「有楽町ビル」と「新有楽町ビル」の跡地、計1万800m2を新たな建物の建設が始まるまで利用する。既存のビルはそれぞれ、1966年と67年に竣工した鉄筋コンクリート(RC)造の建物で築50年以上が経過しており、所有する三菱地所は建て替えを決めた。
「YURAKUCHO PARK(有楽町パーク)」のイメージ。アートや食、ファッションのポップアップストアを設ける。中央には世界的に有名なアーティストであるKAWSの大型作品が横たわる(出所:三菱地所)
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東京・丸の内エリアの地図。有楽町パークの予定地は、JR有楽町駅の北側(出所:三菱地所)
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目指すのは単なる広場ではなく、街の進化を体感できる空間づくりだ。園内のコンテンツは、多くのクリエーターとコネクションを持つNOT A HOTELと共に手掛ける。
有楽町パーク内で、芸術や商業の複合プロジェクト「JAPA VALLEY TOKYO」を展開する。アートや食、ファッションのポップアップストアやイベントスペースを設け、日本のカルチャーを発信する。プロジェクト名は、ワインの産地である米カリフォルニア州ナパバレーから着想したものだ。
JAPA VALLEY TOKYOは、音楽プロデューサーのファレル・ウィリアムス氏やファッションデザイナーのNIGO氏がプロデュースする。施設の設計は三菱地所設計とNOT A HOTELが手掛ける。有楽町エリアのシンボルとして、アーティストのKAWSとコラボレーションした作品を設置。JAPA VALLEY TOKYOの開業は、2027年を予定する。
三菱地所は「有楽町は単なるオフィス街ではなく、文化が根付く街だ。クリエーティブな取り組みを通して、面白いと思ってもらえる街にして変えていく」と説明する。有楽町・日比谷エリアには映画館や劇場など、文化施設が集積しており、地域全体でにぎわいを創出する