世界の設計事務所が火花を散らす、万博パビリオンの受注企業を調査

坂本 曜平

 

日経クロステック

 

 

世界の設計事務所が火花を散らす、万博パビリオンの受注企業を調査 | 日経クロステック(xTECH)

 

 

 

万博のパビリオンは、最新の素材や技術を駆使して各国文化や未来社会のイメージを人々に与えるものだ。どんな建築設計者にとっても腕が鳴る「ひのき舞台」といえる。日経クロステックでは、各国への取材や公開情報などを基に、どのような設計事務所がパビリオンの設計を受注したのかを調査した。その結果、世界的に著名な会社や建築家の他、小規模なローカル事務所や学生集団など、注目すべきプレーヤーたちが浮かび上がった。

 日本で開催した万博史上、最も多い158の国と地域が参加する大阪・関西万博。2025年4月13日の開幕から、会場内に並ぶ華やかなパビリオンやイベント、グルメなど様々な情報が報道されている。

 

 

万博会場内には華やかなデザインの海外パビリオンが立ち並ぶ(写真:生田 将人)

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 海外パビリオンには参加国が自ら建てるタイプAと、日本側が建てた建物を使って参加国が展示空間をつくるタイプBとタイプC、タイプXの4種類がある。このうちタイプAは参加国が費用を負担して、設計者や施工者を選定して独自に整備するもので、合計47カ国が選択した。

 タイプAのパビリオンはデザインの自由度が高く、最先端の素材や技術を使って奇抜なデザインもできる。そのため“万博の華”と呼ばれることもある。日経クロステックではこのタイプAに絞り、計38件の設計者・設計協力者を調査した。

 

 

 

タイプAの海外パビリオンの設計者には、世界的に有名な建築設計事務所が名を連ねる(写真:日経クロステック)

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 最も頻出した設計者は、隈研吾建築都市設計事務所(東京・港)だ。担当したのは、マレーシア館とポルトガル館、カタール館の計3件。マレーシア館は竹、ポルトガル館はロープを使ったデザインが印象的だ。カタール館は同国の伝統的な帆船「ダウ船」をイメージしている。

隈研吾建築都市設計事務所が設計したタイプAの海外パビリオン(写真:日経クロステック)

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 次いで2件のパビリオンを設計したのが、ドイツの大手建築設計事務所「LAVA(ラヴァ)」と、スイスの建築設計事務所「Bellprat Partner(ベルプラット・パートナー)」だ。ラヴァはドイツ館とクウェート館、ベルプラット・パートナーはアゼルバイジャン館とスイス館の設計を手掛けている。

 

 

 

 

ドイツの大手建築設計事務所「LAVA」が設計した海外パビリオン(写真:日経クロステック)

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スイスの建築設計事務所「Bellprat Partner」が設計した海外パビリオン(写真:日経クロステック