学歴よりも重要視しているものは?
高学歴女性の「格下婚」が増加 彼女たちが選ぶ「格下男性」とは?
アトランティック(米国)ほか
COURRiER Japon
最近の米国の研究によると、女性が自分より学歴の低い男性と結婚する割合が増えている。
その割合は、男性が自分より学歴の低い女性と結婚する割合を上回ってきているという。
これまで学歴が同等の人同士の“同類婚”の増加が話題になってきた。というのも、大卒女性の約半数が大卒の男性と結婚しているからだ
ところが、コーネル大学の経済学者ベンジャミン・ゴールドマンらの新しい研究によれば、約25%は高卒以下の男性と結婚している(残りの約25%は独身のまま)。
このことから専門家らは、異性愛者の間で女性が自分より学歴の低い男性と結婚する“下降婚(格下婚)”の増加に注目していると、米誌「アトランティック」は報じている。
同誌によれば、この女性の下降婚の増加傾向は米国に限ったことではなく、世界各地でより一般的になりつつあるという。
女性の好みや結婚観が変化した? それとも…
女性の“下降婚”増加の理由は何か?
専門家らによれば、それは主に「人口動態によるもの」だという
別の言い方をすれば「そういう相手しかいないから」であり、好みや結婚観が変化したわけでも、意識的に下降婚を選んでいるわけでもないと指摘している。
背景には男女間の教育格差の拡大がある。
たとえば、2021年には米国の4年制大学に通う女性の数は男性より160万人も多かったというデータがある。
つまり、大卒の女性と釣り合うだけの大卒の男性が不足している。そのことから、かつてよりも多くの女性が自分より学歴の低い男性との結婚に至っている。
これは、平等志向の広がりというよりも、女性たちが現実的なパートナー選びをしているというのが研究の示すところだという
ウィスコンシン大学の社会学者クリスティン・シュワルツは、同誌にこう語っている。
「人の好みはある程度、流動的です。人は結婚相手の“在庫状況”にすばやく適応します」
一部のカップルは円滑に関係を築いている一方で、社会的な期待や視線、文化的な価値観が、このような結婚において緊張を生むこともある。
「おそらく時間が経つにつれ、より多くの人々が女性と男性の地位の変化に適応するようになるでしょう」と、シュワルツは言う。
高学歴女性のパートナーになる低学歴男性の特徴
ゴールドマンらの研究によれば、大卒女性の約25%が高卒以下の男性と結婚しているが、ただ「それらの男性の多くは、同世代のなかでも収入が比較的高い層」だと指摘している
実際、下降婚をした女性が結婚相手よりも多く収入を得ている場合もあるが、多くのケースでは依然として男性が稼ぎ頭であるようだ。
大卒以上の女性と結婚した非大卒男性の収入は、過去数十年間、比較的安定しており、インフレを考慮しても若干上昇していると同研究は示唆している。
一方で、その他の非大卒男性の収入は大幅に減少している。
さらに、同研究は大卒女性の(45歳時点での)結婚率はここ数十年間、70%以上で安定している一方で、高卒以下の女性の結婚率は大きく低下していることを示しており、「(異性愛者の)大卒女性が結婚しにくくなっている」という通説に異議を唱えている。
1990年代半ば以降に生まれた世代では、非大卒女性の結婚率は米国史上初めて50%を下回る可能性が高いと述べている。
背景には、低学歴の男性の経済的な地位の低下がある。彼らが結婚相手として選ばれにくくなっているのが大きな一因だという。
よって、高卒以下の男性の経済的機会を改善する政策が、非大卒女性の結婚率向上や、安定した家庭形成に大きく貢献するとの見解をゴールドマンは示している
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