安保ただ乗り」不満のトランプ氏、相互関税リストに同盟国や友好国…「貿易に関しては敵より友人がひどかった」
読売新聞
相互関税について説明するトランプ米大統領(2日、ホワイトハウスで)=ロイター© 読売新聞
【ワシントン=池田慶太】
米国のトランプ大統領が2日発表した相互関税のリストには、同盟国や友好国が多く並んだ。こうした国が安全保障で米国に頼りながら、経済的な恩恵を享受していることへの不満が根底にある。
「多くの場合、貿易に関しては敵よりも友人のほうがひどかった」。トランプ氏は2日の演説で、欧州連合(EU)やインド、日本、韓国への貿易赤字などに言及しながら、こう述べた。
トランプ政権は、貿易の不均衡により国内の製造業が衰退し、軍事力の維持・強化に必要な分野でも競争力が低下するなど国家安全保障を危険にさらしているとの立場を取る。
一方、安全保障面では米軍の抑止力に頼る国が多く、同盟国・友好国に対して「米国を略奪してきた」と怒りを向けるのはこうした理由からだ。
対米貿易で利益を上げつつ、相応の負担なく米国主導の安保に「ただ乗り」する国に対し、トランプ氏は関税を使った揺さぶりを続けるとみられる。
今後、トランプ政権は今回発表した関税率の引き下げをちらつかせ、北大西洋条約機構(NATO)に加盟する欧州諸国や安保条約を締結する日本などに対して軍事費負担の増額を迫る展開も予想される
「安保ただ乗り」不満のトランプ氏、相互関税リストに同盟国や友好国…「貿易に関しては敵より友人がひどかった」