25%の新たな関税で販売価格が1万ドルアップ!
トランプの貿易戦争、最大の犠牲者はあのベストセラー高級車だった

ウォール・ストリート・ジャーナル(米国)
Text by Ryan Felton and Christopher Otts
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トランプ貿易戦争、高級車が業界最大の敗者
ドイツ自動車大手BMW「3シリーズ」はかつて世界のベストセラー高級車ランキングで首位だった。現在、このスポーティーセダンは関税の犠牲者という、あまり望ましくないリストに入っている。
スポーティーで比較的手頃な価格のBMW3シリーズなど十数種ほどの外国製モデルが、ドナルド・トランプ米大統領の仕掛けた貿易戦争に巻き込まれている。
メキシコ工場で生産されるこのドイツ製セダンは、自由貿易に関する米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の要件を満たしていないからだ。この要件を満たした多くの自動車メーカーは、今月新たに発効した25%の関税の適用を一時的に猶予された。
3シリーズには最近まで、米国に輸入される際に2.5%の関税が課されていただけだった。3シリーズのメーカー希望小売価格は4万7000ドル(約700万円)前後だが、BMWは系列販売店に対し、これからは27.5%の関税がかかるため、販売価格に1万ドル余りが上乗せされる可能性があると通知した
日米は経済と安全保障が絡んでいる
米紙「自動車に重い関税をかけられても、日本は黙って従うしかない
ォーチュン(米国)ほか
Text by COURRiER Japon
米国のドナルド・トランプ大統領は、自動車、小型トラック、そして自動車用の部品に25%の関税を課すことを発表した。4月3日に発効する今回の措置について、トランプはこれが米国の自動車業界の「驚異的な成長」につながると述べ、雇用と投資を促進するだろうと主張している。
「これまでが不公平だった」
今回の課税に関し、大統領上級顧問のピーター・ナバロは記者団に対して次のように語っている。
「外国の貿易詐欺師らが、米国を外国製の部品を低賃金で組み立てる工場に変えた。これは我が国の防衛と製造業の産業基盤を蝕み、国家安全保障を脅かしている」