ここは日本であって日本ではない…」外国資本がカネの力で「乗っ取った」日本の伝統的な街並み

高橋 克英(金融アナリスト

 

 

「ここは日本であって日本ではない…」外国資本がカネの力で「乗っ取った」日本の伝統的な街並み

 

 

「ここは日本であって日本ではない…」外国資本がカネの力で「乗っ取った」日本の伝統的な街並み

 

 

 

今や世界中から富裕層がこぞって訪れる冬の高級リゾート地となった北海道ニセコ。どうやってニセコはインバウンドをものにしたのか。海外の富裕層を取り込む外国資本の戦略、日本の観光に足りていないものとは何なのか。ニセコの成功の背景を、リゾート地・富裕層ビジネス・不動産投資の知見をもつ筆者が、これらの謎をひも解く。

 

 

『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』(高橋克英著)より抜粋してお届けする。

 

 

『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』連載第13回

 

 

『コンビニに「ドンペリ」⁉外国資本に“占拠”された日本のリゾート地・ニセコの法外すぎる物価』より続く

 

 

 

外国人による外国人の街

右折して、ひらふ坂からニセコアンヌプリの頂を望む。この一帯が、毎年話題になる、路線価で6年連続地価上昇率全国1位の場所であり、ニセコの中心地だ。

 

 

スキーシーズンには、

パウダースノーを求めてやってきた

 

オーストラリア人や

 

アメリカ人や

 

華僑を中心に、

 

多くのスキーヤー、

 

スノーボーダーが

 

温泉とともにシーズンを楽しむ。

 

雪景色だけをみにくるアジアからの観光客も多い。

夜の9時10時でも人通りが絶えないほど賑わっている。

街並みもまるで欧州や北米の高級スキーリゾートのようだ。ショップの看板や広告は英語表記だけのものも多い。ショップの客も従業員も外国人。

冬のニセコは、日本で最も外国人率が高い街で、もはやここは日本であって日本ではない

 

ひらふ十字路を中心に、スキー場のリフトに乗る地点までのひらふ坂の両側には、欧風デザインのホテルや近代的なコンドミニアムが並んでおり、その多くが外国資本による外国人相手のものだ。

混交する「日本」と「世界」

ひらふ坂を上っていくと、ニセコグラン・ヒラフスキー場のゲレンデが目の前にそびえ立つ。

同スキー場は、主に5つあるニセコのスキー場の中でも総面積135haと最大規模となり、最長滑走距離5300m、最大斜度40度、標高差940m、リフト数12、コース数24を誇る。

ひらふ地区は、ニセコが世界的なスキーリゾートになる前から栄えてきた場所だ。そのため、紹介してきたメインストリートであるひらふ坂を除けば、一歩入れば道は入り組んでおり、かつ狭く砂利道や行き止まりもあったりする。

個人の経営するペンションや飲食店が軒を連ねるなか、外国資本による大型のコンドミニアムやホテルが建ち、混沌とした活気あるエリアでもある