スポーツ部門】2024年に世界が注目した日本人100

逆転金メダルで世界を沸かせた堀米雄斗は「他とは一線を画している」

 
 
 

 

クーリエ・ジャポン

 

Text by COURRiER Japon

 

2024年に世界が注目した日本人「スポーツ」部門


1 堀米雄斗(スケートボード選手)

パリ五輪の金メダルの獲得数ランキングで、日本は米国、中国に次ぐ3位という快挙を成し遂げた。この結果に貢献した選手のひとりが、奇跡の大逆転によって金をとり、世界中のスケートボードファンを沸かせた堀米雄斗だ。

シンガポール紙「ストレーツ・タイムズ」は、彼の活躍を次のように報じている

 

 

 

史上最も“ナーリー”な(スケートボード用語では「驚異的」という意味)決勝と評されたこの戦いのなか、堀米は89.90点を獲得して4位スタートだった。しかし2回目、3回目、4回目で失敗し、最終トリックに入る時点で7位となる」

金メダルをとるには、最後の1本で96.98点以上を出さなければならない状況だった。絶望的と言える場面にもかかわらず、堀米は最終局面で「ナーリー」なトリックを繰り出し、当日の最高点となる97.08を叩き出して逆転優勝を飾ったのだった。

スケートボードがオリンピック競技となったのは、2020年の東京オリンピックからだ。堀米は前回も金メダルをとっている。まだ短い歴史のなか、彼は初のオリンピック2冠王となった。

 

 



米紙「ニューヨーク・タイムズ」

 

「日本の男子スケートボーダーたちは、スケートの歴史上最も難しいトリックを生み出し、それを見事に成功させている」と報じている。

 

 

同紙は試合前に

「スケートボードのセンセーショナルなトリックで、日本は五輪で金メダルなるか?」と題した記事を掲載し、

日本選手たちの「技術力の高さ」に注目していた。

 

 



「堀米をはじめとする日本の選手たちは、さまざまなスタイルを融合したユニークなトリックを考案することで、他とは一線を画している」と評価し、

他の選手が「真似することはできない」ような高難易度の技を披露していると説明している。
 

たとえば、堀米の代名詞である「ユウトルネード」というオリジナルの技がある。これは「非常に複雑な、独立したトリックで、他のスケートボーダーは競技会で挑戦したことがない」そうだ。

日本ではこれまで、スケートボードには「危なく迷惑な遊びだ」というイメージがつきまとうものだった。だが堀米のような選手が現れたいま、それも変わっていくのかもしれない。

ストレーツ・タイムズは、日本の公営スケートボード会場の数が、2017年には100ヵ所だったのが2023年には434ヵ所に増えていることを報じている。外で滑らずパークへ行くよう親が子を教育するようになったこともあり、「これらすべてが日本をスケートボード大国へと変貌させるのに貢献している」と伝えた

 

 
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2 大谷翔平(野球選手)

「この人を見ない日はない」と言えるほど、大谷は2024年も大活躍した。メジャー史上初となる「50本塁打、50盗塁」の達成、本塁打王と打点王の獲得、移籍1年目でドジャースをワールドシリーズ制覇に導くなど、米国と日本のスポーツニュースを常に盛り上げた。地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」は「ショーへイ・エコノミー:大谷翔平の1年目がドジャースの財政をどう変えたか」と題した記事を掲載し、彼が球団にもたらした利益の大きさや、地域を活性化させていること、テレビの視聴率まで上げたことなどに触れている。
 

 

 

 

 

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3 大野将平(柔道家)

五輪2連覇を果たした日本屈指の柔道家でありながら、大野はパリ五輪の代表選考には参加しないと表明した。そうした決断に至った理由などをインタビューした仏紙「リベラシオン」は、彼を次のように評している。「大野の特徴は、単に柔道が強いだけでなく、そこに流儀があるところだ。感情を顔に出さず、悠然と構えつつも、抜き身の刀のようなところがある」

 

 

 

 

 

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4 佐々木朗希(野球選手)

メジャー移籍を目指す佐々木朗希の動きは、米国でも大きな注目を浴びている。米紙「ロサンゼルス・タイムズ」は、ドジャースで大谷との「共演」が叶うかは「佐々木の気持ち次第だ」とするコラムを掲載した。また別の記事では、ドジャースの大ファンである役者のブライアン・クランストンが、デーブ・ロバーツ監督に同球団の2025年の展望を訊ねる様子を報じている。クランストンは監督に「非常に人気のある23歳の投手、佐々木朗希」を猛烈に推していた

 

 

 

 

 

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5 鍵山優真(フィギュアスケート選手)

2023〜2024、2024〜2025シーズンを通して、ロシアのスポーツメディアに最も多く登場した鍵山。2月に上海で開催された四大陸選手権で優勝した際には、音楽的感性、リズム感、優雅なスケーティングが称えられている。11月のフィンランドでのGPシリーズの際には、「今シーズンの目標は全大会での勝利」という言葉を「Sports.ru」が伝えた

 

 

 

 

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6 阿部一二三阿部詩(柔道家)

共にパリオリンピックに出場した阿部兄妹。2019年から世界大会で負けなしだった詩選手が2回戦で敗退したことで「阿部一二三は動揺し、心揺さぶられた」とインド紙「ヒンドゥスタン・タイムズ」は報じ、こう続けた。「衝撃の敗北を喫した妹は泣き崩れた……東京五輪のダブル金メダルを再現できないことになったのだ。しかし、それが自分の金メダルを死守する一二三の意欲を掻き立てた」

 

 

 

 

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7 北口榛花(やり投げ選手)

オリンピックのやり投げで金メダルを獲得した北口。チェコで生活し、チェコ人のコーチから指導を受けている彼女は「コミュニティに欠かせない存在になっている」と現地メディア「プラハ・モーニング」は報じ、こう続けた。「町民たちは彼女を仲間として受け入れ、当然ながらその功績を誇りに思っている」。そんな北口は近隣住民からよく知られており、チェコ語でよく挨拶を交わしているという。彼女の快挙には日本のみならず、そばで応援してきたチェコの人々も熱烈に喜んだようだ。

 

 

 

 

 

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8 小田凱人(車いすテニス選手

 

 

世界ランキング2位で18歳の小田は、パリパラリンピックのシングルスで金メダルを獲得した。だがそれ以前から、彼の成績は華々しいという他ない。2023年には全仏オープンを初優勝し、史上最年少で世界ランキング1位となった。同年のウィンブルドン選手権も制し、2024年の全豪オープンでも優勝している。仏紙「リベラシオン」は、彼のことを「早熟の天才」と称した。





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9 草場勇斗(サッカー選手)

ケニアプロサッカー一部リーグのチーム「ナイロビシティスターズ」に所属する草場勇斗は、国史上初のアジア人プロ選手だ。ケニア紙「ネイション」によると、チームは彼のさらなる活躍を期待して見守っているという。同チームのCEOであるパトリック・コリルは、草場の「地に足ついているところが非常に好ましい」と語っている。





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10 佐々木ユリア(サッカー選手)

アルゼンチンの名門サッカークラブ「ボカ・ジュニアーズ」に所属する佐々木。幼い頃から同クラブに強く憧れていた彼女が、実際にアルゼンチンでプレイするようになるまでの軌跡を、アルゼンチン紙「ラ・ナシオン」が細かく報じている。チームメイトから「ササ」の愛称で親しまれている佐々木との契約を、2025年末まで延長することをボカは12月に発表した

 

 

 

 

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