スピーカーでは、
世界一のC/P最高の
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VGP2024で金賞多数!Polk Audioのスピーカーが評論家からもユーザーからも「高評価」を得ているわけ
2024/09/27大橋伸太郎/岩井 喬(構成:編集部 平山洸太
“手の届きやすい価格” でありながら高水準のスピーカーで人気のブランドが、アメリカ東海岸のPolk Audio(ポークオーディオ)だ。2021年に日本に再上陸し、瞬く間にスピーカー市場でトップクラスのシェアを獲得。いま最注目ブランドのひとつである。
そんなPolk Audioだが、国内最大級のオーディオビジュアル機器の総合アワード「VGP」にて、各カテゴリーの「金賞」を獲得する常連ブランドとなっている。最新のVGP2024でも、7つの製品が金賞を獲得している。
一般のユーザーからもオーディオ評論家からも高い評価を得ているPolk Audio。なぜそこまでの注目を集めているのだろうか。VGPの審査員長の大橋伸太郎氏、審査員の岩井 喬氏の両名による対談から、その魅力を探っていきたい
【VGP2024 金賞受賞モデル】
■映像音響部会
・「MXT60」スピーカーシステム・映像音響(ペア10万円未満)
・「MXT10」サブウーファー(15万円未満)
■ピュアオーディオ部会
・「R700」スピーカーシステム/フロア型(ペア20万円以上30万円未満)
・「ES60」スピーカーシステム/フロア型(ペア10万円以上20万円未満)
・「ES50」スピーカーシステム/フロア型(ペア10万円未満)
・「ES15」スピーカーシステム/ブックシェルフ型(ペア10万円未満)
■ライフスタイル分科会
・「SIGNA S4」サウンドバータイプTV用オーディオ(4万円以上5万円未満)
わずか数年でシェアトップクラスに躍進したPolk Audio
大橋 Polk Audioは日本のスピーカー市場において、第2位のシェアを獲得しています。2021年の再上陸以来、かくも短期間にそれだけシェアを獲得したのは、リーズナブルなアメリカのスピーカーが待望されていたことが⼤きいと思います。
ヨーロッパ系のスピーカーとアメリカ系のスピーカーって、昔ほどではないにせよ、やはり音の方向が違います。スピーカーの音はDNAみたいなもので、その国の言語が大きく影響しています。母音が中心なのか、子音が中心なのかとか。
VGP2024で金賞を受賞したモデル(写真に加えて、サブウーファー「MXT10」も金賞)
スピーカーの用途からしても、ヨーロッパは放送用に発展してきた一方で、アメリカのスピーカーは劇場育ちというのがあるわけです。映画館のどこに座っていても音が飛んでくる、そういうスピーカーがアメリカでは主流でした。
また、アメリカの母国音楽の伝統も影響しているはずです。カントリー、ジャズ、ブルースなどは、狭い場所で目の前にいる演奏者の音を聴きます。1970年代にPAを使った商業ロックの時代になっても、間近で聴く音楽を拡大したような音の作り方です。逆にヨーロッパでは、教会やオペラハウス、近代ではホールなど広く間接音成分の多い空間です。
そうした流れもあり、ヨーロッパのスピーカーは音場と音像のバランスで成り立っています。アメリカは圧倒的に音像重視で、音が前に来てほしいという設計。その理由が、アメリカの母国音楽の伝統と劇場育ちの2つから来ているというわけです
アメリカのスピーカーでは、JBL、ALTEC、Electro-Voice、Boston Acoustics、INFINITY、ボーズなどのブランドが昔から人気を得てきました。しかし市場の変化があり、日本で受け入れられやすい中間価格帯のモデルが減ってきてしまった。結果日本では、アメリカのスピーカーが90年代から2000年代にかけて空白状態でした。
Polk Audioは、その市場ニーズに応えたと言えるでしょう。非常に良いタイミングで日本に上陸してきて、やはり前に音が出てくるというアメリカ由来のサウンドが受け入れられた。Polk Audioの現行モデルはアメリカ向けとヨーロッパ向けを統合したグローバルモデルですが、アメリカスピーカーの伝統が残っています。
岩井 Polk Audioはライバルのブランドよりも安い価格設定をされているというのが、一番の魅力かなと。限られたコスト内で性能を発揮させるための設計の工夫や、量産効果によるコスト削減効果を発揮しているように感じています。そういった開発をしているのがユーザーライクかなと思いますね。
大橋 ホームシアターなどの映像音響においては、特にその恩恵が大きいと思いますね。5.1.2ch、5.1.4ch、7.1.2ch、7.1.4chなどの構成になってくると、やはりスピーカー1本の単価が安いことは総和でいくとかなり大きな差になってきます。そういった側面も人気の理由としてあると思います。
そして発展性という意味では、口径の統一化もポイントです。要するにフロア型、ブックシェルフ、センターでユニット口径が統一されているから、非常にシステム化がしやすい。値段も手頃に抑えられているからモアチャンネル化がしやすくて、発展性がよく考えられている
ジャンルを気にせず “楽しめる” という魅力
大橋 Polk Audioのサウンドは現代の音楽にマッチしている。前に音が踏み込んでくるだけでなく、低音効果に配慮していると感じます。要するに、厚く盛った低音とコンプレッションがかかったような音作りを活かしてくれる。そういう音を聴いて育っている方は多いので、新規ユーザーの獲得にも繋がっているはずです。
岩井 先ほどのお話でいうと、PAを活用した音圧の高いロックサウンドが台頭してきた1970年代にPolk Audioが創業したこともあり、時代背景が反映されていると思います。
大橋 Polk Audioはジョン・ホプキンス大学の学生3人が立ち上げましたが、同じようにアメリカの大学から生まれたスピーカーではボーズが有名です。MITの先生であったボーズ博士は、クラシック音楽が好きだった。大学から生まれたスピーカーとしては同じですが、先生と生徒では聴く音楽が違う(笑)。Polk Auidoは、若い世代のスピーカーだと思いますよ
岩井 ロックやポップスに対して、Polk Audioのスピーカーは心地よく聴かせてくれます。一般的なハイファイ用のスピーカーで真面目に再生しようとすると、クラシックなどと比較して狭いダイナミックレンジの音楽では、悪い部分ばっかり見えてきてしまう。
でもPolk Audioのスピーカーは、もちろんクラシックやジャズを聴いてもいい部分が見えてきますが、ダイナミックレンジの抑えられた音源に対しても、きちんと分離良く聴かせてくれる。気持ちよく聴かせてくれるという部分を大事にして作っている印象があるので、この点も競合に比べて魅力が高いと感じます。
大橋 変な力みであるとか、高音の再生に演出がなく素直なのも良いところだと思います。自然にゆったりと、おおらかに低音を聴かせてくれる。
岩井 音楽の持ってるエネルギーというか、本質的なところを捉えるのが結構うまいという感じがしていて。特にメジャーなコンテンツに対して、捉えるところがまとまるというか、エンタメに対して研究されてるんだろうな、という印象ですかね。
ロックにしても、ガチャガチャとして捉えどころがないように感じやすい音源でも、Polk Audioのシステムで聴くと整理される感触がある。EDMの音源も嫌味がなくて、安心して聴いていられます
あと、エレキギターのサウンドがすごく良くて、相当驚いた記憶があります。エレキギターのエネルギー感とか厚み、エッジが立ったひずみの音を、キツくないのに出すところは出して、分離させるところは程よく聴かせる。同じ価格帯の中で、この領域に達しているスピーカーはあまり多くないという印象がありました。
クラシックやジャズも聴くけど、普段はポピュラーな音楽を楽しむようなユーザーは、Polk Audioであれば、1台ですべて楽しめて幸せじゃないのかな。特に他メーカーと並んだ場合でも、“まんべんなくバランスが良くてジャンルを選ばないスピーカー” というのは実はそれほど多くないので、自然にPolk Audioが際立っている気がしますね。
大橋 間口が広くてメジャーなスピーカーだということ。それは聴き手に対してもそうだし、音楽ジャンルソースに関してもそう。良い意味でストイックでないのがPolk Audioのスピーカーだと感じます。
最近、逗子のレストランで、Polk Audioを使っていたのを見たんです。やはりPolk Audioは、音離れが良く指向性が広く、非常に使いやすいスピーカーであるという認知が浸透しているのだと感じました
サウンドバーの基本は「声」
岩井 サウンドバーもPolk Audioはラインナップしています。金賞を受賞したサブウーファー別体のSigna S4だけでなく、一本バータイプのREACTなども用意されています。
サウンドは基本的に、声に注目した設計だと思います。声を聞き取りやすくするところを大事にしつつも、声の輪郭感を変に強調して際立たせているわけではない。安い価格帯のものだと、疲れやすいトーンになっていて違和感のあるサウンドバーもありますが、Polk Audioは違います
大橋 映画ではセリフも演技のうちだから、しっかり聞き取れないといけないわけです。私たち日本人は、外国の映画を見る時は、字幕を見ることが多いじゃないですか。もちろん、テレビ番組でアナウンサーなどのトーンをいかに明瞭に伝えるかも大切です。
いかにセリフが聞き取れるかが重要であって、響きに誇張であるとか歪曲であるとか、あってはいけないわけです。いかに自然に俳優の声を正しく伝えるか、それがサウンドバーの基本だと思います。
岩井 サウンドバーは価格で選ぶ方も多いと思いますが、同じ価格帯で比較すると、Polk Audioは “何を聴かせたいか” のフォーカスはしっかり合っているのに、全体を落ち着いた傾向にまとめてくれるのが特徴的です。特にSigna S4はサブウーファーが別体になってるので、低域のゆとりがしっかり出てくるということで、より万能感のあるサウンドバーになっています。
音楽を聴いても破綻がないですね。サウンドバーだと、映像の音声と音楽を両立しているものは本当に少ない印象があります。ナチュラルに楽しめる音作りがされているという感じです。
Reserve、Signature Elite、Monitor XT、どう選ぶべきか
岩井 Polk Audioは各シリーズごとにラインナップが多くて、フロア型とブックシェルフ型も何機種かずつ用意しています。筐体が大きいモデルほど低域の量感が増えますが、大きすぎるなと感じる場合に小さいモデル選んでも、基本的に同じトーンで楽しめる設計だと感じます。部屋のサイズや設置場所を理由に諦めることなく、気に入った音のシリーズを選べるという
音色が結構違うので、例えば同じポップスを聴くと、Reserveシリーズだと落ち着いた感じに聴こえるんですよね。対してSignature Eliteシリーズで聴くと、きらびやかなサウンドに聴こえます。そしてMonitor XTで聴くと、エッジが効いてガッチリしたサウンドになる。
どのシリーズを選んでも問題はないのですが、キャラクターが違うので、聴こえ方の好みが大きく分かれるかなと思います。これからPolk Audioを導入したいユーザーの方は、まず好みのシリーズを選んでみてから、次に自分の環境に合わせてサイズを決めてみてください。
(提供:ディーアンドエムホールディングス
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