新東名未開通の静岡県境、舗装終えた高架橋とトンネルを歩く
大上 祐史
ラジエイト代表
(写真:大上 祐史)
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真新しい道路が延びる新東名高速道路の建設現場で、子供たちの楽しげな声が飛び交った。小学生とその保護者を対象とした親子見学会「ハイウェイみて!みて!ツアーズ」の一幕だ。中日本高速道路(NEXCO中日本)東京支社が毎年夏に開催。2024年も新東名の建設現場見学を中心に7コースが用意され、そのうちの1つとなる静岡県の中島高架橋・谷ケ山(やがやま)トンネル坑口の見学会に参加した。
神奈川・静岡県境をまたいで建設中の新秦野インターチェンジ(IC)─新御殿場IC間約25kmが完成すると、新東名は全線開通になる。両IC間に山北スマートIC、小山パーキングエリア(PA)・小山スマートICを設置し、両スマートICの間には神奈川県側から見て谷ケ山トンネル、中島高架橋、柳島高架橋、湯船高架橋、湯船原トンネルを構築する。
新東名の工事区間に関する広域地図(出所:NEXCO中日本)
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参加者はまず、谷ケ山トンネルの坑口上部に上り、名古屋方面に延びる高架橋を一望した。名古屋方面へ向かう下り線は路面の舗装を完了している。
谷ケ山トンネル坑口の上から見た名古屋方面に延びる高架橋(写真:大上 祐史)
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高架橋は中島高架橋(橋長上り505m、下り481m)、柳島高架橋(上り629.5m、下り663m)、湯船高架橋(上り629m、下り634m)の3つのラーメン橋が連続する。3高架橋それぞれに工事用道路を設置して工事を進めた。
3高架橋の位置と概要(写真:大上 祐史)
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下り線を名古屋方面へ向かい、中島高架橋を歩いた。
谷ケ山トンネルを背にして名古屋方面を眺める(写真:大上 祐史)
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中島高架橋はPC(プレストレストコンクリート)7径間連続ラーメン箱桁橋で、もっとも高い橋脚は約46mある。
中島高架橋の橋脚。高低差が激しいことが分かる(写真:大上 祐史)
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参加者は、高架橋からの景色を楽しみながら歩いた。
新しい路面を自由に歩くことができた(写真:大上 祐史)
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高架橋から下をのぞき込むと、高架橋の高さを実感できる。
高所が苦手な人にはオススメできない高さ(写真:大上 祐史)
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橋梁側面には、維持管理で使用する恒久足場を設置している。
維持管理で使用する恒久足場(写真:大上 祐史)
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高架橋の下には民家が立ち並ぶ。
中島高架橋から南側を眺める(写真:大上 祐史)
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高架橋の下に道路がある箇所には、側面に落下物防止の防護策を設置している。
側面に設置されている落下物防止の防護策(写真:大上 祐史)
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遠方には東名高速道路の上り線に架かる東名足柄橋を見ることができる。
東名高速道路の東名足柄橋。柳宗理氏がデザインした(写真:大上 祐史)
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先は柳島高架橋、湯船高架橋、湯船原トンネルと続く。
奥には湯船原トンネル。新東名の路面は高低差が少ないことが分かる(写真:大上 祐史)
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この日は雲が多く確認できなかったが、青天時に下り線の谷ケ山トンネルを出て中島高架橋へ差しかかると、誰もが声を上げてしまうほど迫力ある富士山が目の前に飛び込んでくるとのことだ。
下り線から見る富士山(写真:NEXCO中日本