アメリカには世界に知らされない”闇”が
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全米最大級のゲイ矯正治療施設の創設者が、自身がゲイであるとカミングアウトした。
その衝撃なニュースを全米のメディアが一斉に報じている。
マクレー・ゲーム氏
米NBCニュースによると、米サウスカロライナ州にある米最大といわれるゲイ矯正施設「ホープ フォー ホールネス」の創始者、マクレー・ゲーム氏が、ゲイであることをカミングアウトした。
ゲイ矯正施設とは、全米のいたるところにある、キリスト教団体が主催する”ゲイを治す”ための施設。
現在、ゲイ矯正治療を禁じているのは全18州のみで、残り32州は科学的根拠のないゲイを治す治療がいまだに行われているのだ。
その数は年間77,000人!!この衝撃の事実は『ある少年の告白』で映画化もされている
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僕は真夜中に拉致されゲイ矯正施設に送られた」...床を引きずられ監禁状態に、全米に1万か所を超える施設が
「最悪だったのは、金を出したのが僕の父親だったこと」──10カ月に渡る民間矯正施設での監禁生活から抜け出して、声なき人々の代わりに声を上げる
父親によって悪質な矯正施設に入れられたと語るフィン・プール(高校で) FINN POOL
15歳だったある日の真夜中、僕は2人の見知らぬ男たちに誘拐された。 恐ろしくて抵抗などできなかった。僕は飛行機に乗せられアメリカ大陸の反対側に連れて行かれ、10カ月後に脱出するまで監禁状態に置かれた。
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あの日のことは忘れられない。2人の男の車は真っ黒に舗装された道を走った。行き先など分からない。窓からは煙のようにたなびく雲がかかったユタ州の山々が見えた。 たどり着いた先には、並んで立つ細長い2つの建物があった。「エレベーションズRTC」という表札が出ていて、焼けつく日差しの下でも暗い影をまとっていた。 僕は灰色の廊下を文字どおり引きずっていかれた。洋服は脱げて床に落ち、ヒリヒリと痛む肌に冷たい水が染みた。僕は裸で床に崩れ落ちた。内側から煮えたぎる怒りが噴き出してきた。3日間、僕はひたすら泣き続けた。 最悪だったのは、金を出してこんなことをさせていたのが僕の父親だったことだ。両親が離婚した後、僕は父に引き取られていた。とてもつらい日々だった。 あの頃ちょうど僕は、本当の自分を理解し、受け入れられるようになっていた。そして今後はゲイであることを公表して自分らしく生きたい、母と一緒に暮らしたいと父に話した矢先の出来事だった。 エレベーションズは営利目的で運営されている民間の矯正施設だ。問題を抱えたティーンエージャーの社会復帰を支援するとうたっているが、実際には金を払う人間の言うがままらしい。 担当のセラピストによれば、僕がここに送り込まれたのは父の期待に背いたからだった。 何カ月もの間、僕は施設の廊下を当てもなく歩き回った。監禁されていることにも施設の雰囲気にも息が詰まりそうだった。日記帳に僕は、旅する探検家が主人公の物語を書いた。物語の世界に入りたいと心底思った。 10カ月後に僕はようやく、母とラビ(ユダヤ教の聖職者)と弁護士のおかげで施設を出ることができた
被害者の声を届けたい
同様の施設で、同じような目に遭った(遭っている)人は僕以外にもたくさんいる。「ストップ制度的児童虐待」という団体によれば、こうした施設に入れられている未成年者は全米で12万~20万人もいるという。 今年に入り、僕はエレベーションズと担当セラピスト、そして父に対し、僕が受けた虐待と苦痛への損害賠償を求める訴訟を起こした。 裁判所や議員たち、そして一般の人々に問題を知ってもらうことも目的の1つだ。またこれは、今も施設にいる多くの未成年者や、施設によって生涯にわたる傷を負わされた人々に代わり、僕が起こさなければならない行動だった。 こうした施設に入所させられた人々の間では、鬱や薬物依存になったり、虐待したりされたりする人間関係に陥ったり、果ては自殺するといった事例が非常に多いといわれる。全米に1万カ所以上あるといわれるこうした施設への規制強化を求めて、僕たちは力を合わせなければならない。 僕は18歳になり、この秋からはカリフォルニア州の大学に通う。1年前には考えられなかったことだ。声なき人々の代わりに声を上げ、社会に貢献する力を付けたいと思っている。僕は未来に向けて前進していく。
フィン・プール(18歳、米ワシントン在住
「僕は真夜中に拉致されゲイ矯正施設に送られた」...床を引きずられ監禁状態に、全米に1万か所を超える施設が(ニューズウィーク日本版)