ドジャース・フリーマンの三男がギラン・バレー症候群と判明、現在は快方へ

日刊スポーツ新聞社

 

ドジャース・フリーマンの三男がギラン・バレー症候群と判明、現在は快方へ 

 

 

ドジャースのフレディ・フリーマン内野手(34)のチェルシー夫人が1日(日本時間2日)、インスタグラムを更新し、三男マキシムス君の病状と、現在は快方に向かっていることを報告した。

投稿によると、マキシムス君は7月26日に体調を崩して全身まひに陥り、病院に搬送。フリーマンは同日のヒューストンでのアストロズ戦前にチームを離れ、家族の元に駆けつけた。そして検査の結果、マキシムス君は重度のギラン・バレー症候群と判明。神経疾患の一種で、特に子どもでは珍しく、呼吸困難になっていたと明かした。

現在は快方に向かっており、特にここ48時間の回復は目覚ましく、前日には人工呼吸器を外すまで回復したという。夫人は「私たちは祈りの力を信じており、彼の回復の奇跡を目の当たりにしている。今後もマキシマスと私たち家族のことを祈っていてください。皆さまのサポートに心から感謝しています」とつづった

 

 

 

ドジャースのフレディ・フリーマン(2024年6月26日撮影)

 

 

 

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ギラン・バレー症候群 - Wikipedia

 

 

ギラン・バレー症候群(ギラン・バレーしょうこうぐん、: Guillain-Barré syndrome、以下GBSと記する)は、急性・多発性の根神経炎の一つ。主に筋肉を動かす運動神経が障害され、四肢に力が入らなくなる病気のこと。重症の場合、中枢神経障害性[要出典]呼吸不全を来し、この場合には一時的に気管切開や人工呼吸器を要するが、予後はそれほど悪くない[要出典]日本では厚生労働省の治療研究(難治性疾患克服研究事業)の対象となっているが、医療給付(難病医療費助成制度)の対象ではない。

毎年10万人あたり1 - 2人の割合で発症する稀な病気であり、男女を問わず、また世界のどの地域でも同程度の罹患率である[1][2][3]

徴候と症状

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ギラン・バレー症候群の様々な症状

前駆症状として、咽頭発赤、扁桃炎急性結膜炎急性胃腸炎感冒症状(咽頭痛や微熱など)が見られる。これらの症状は通常は神経症状出現の1〜3週間ほど前に認められる。全例の約3分の2で先行感染が認められる。

症状の程度は様々だが、運動神経の障害が主で初発症状は下肢の筋力低下から起こることが多い。その後、下肢から体幹部に向かい左右対称性に筋力低下や麻痺が上行する。四肢麻痺は、遠位筋に強く現れる。呼吸筋の麻痺が発症すると人工呼吸器により呼吸管理が必要となることがある。運動神経の障害が主であるが、軽度の感覚神経障害も発症する。特に異常感覚や神経因性疼痛が多く支持療法が必要となることも多い。

そのほか、両側性の顔面神経麻痺や外眼筋障害などといった脳神経症状や、構音障害や嚥下障害などの球麻痺症状、自律神経障害を伴うことがある。自律神経障害は突然死の原因となり、麻痺による長期臥床は肺梗塞の原因となりいずれも致死的であり注意が必要である。約7割の患者が半年以内に日常生活をおくれるようになるが、重篤な場合は回復まで数年を要することもあり、回復しても手足の痺れなどの後遺症が残る場合があるという。

運動神経の障害
脱力、麻痺である。多くは下肢から始まり、上に向かって進行する。急性・急速進行性・左右対称性・全身性・遠位筋優位の筋力低下である。末梢性神経障害のため、弛緩性麻痺となることが特徴である。
反射弓の障害
深部腱反射の低下や消失が特徴的とされている。神経根の障害からレンショウ抑制や側方抑制の障害が起こることによって腱反射が亢進することがある。この所見は軸索型GBSで認められやすい。腱反射は亢進するが痙性や病的反射は認められないことから上記の障害モデルは提唱されているが詳細は不明である。急性期から反射が亢進する場合、回復期から亢進する場合がある。
感覚の障害
感覚鈍麻、異常感覚、神経因性疼痛が高頻度に認められる。痛みは90%近い患者で認められ、神経根痛や筋痛、関節痛などを訴えることもある。ステロイド、カルバマゼピンオピオイドガバペンチンプレガバリンなどが支持療法として用いられる。
自律神経障害
ギラン・バレー症候群で自律神経障害が認められる場合は圧受容器反射弓の求心路が障害される。そのため、中枢への抑制がきかず節後神経交感神経活動は亢進する。そのため、安静時の血圧や心拍数は上昇しており血中のノルアドレナリンも高値となる。しかし起立すると血圧は急激に低下し、失神を起こすこともある。SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)の合併のためADH(抗利尿ホルモン)も高値を示すことが多い。

原因

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原因は不明だが、根本的なメカニズムとして、身体の免疫系が誤って末梢神経を攻撃し、ミエリンの絶縁体を損傷する自己免疫疾患が関与していると考えられている[1]。この免疫機能障害は、感染によって引き起こされることもあれば、あまり一般的ではないが手術によって引き起こされることもあり、ごくまれにワクチン接種によって引き起こされることもある[1][3]。診断は通常、別の原因を除外した上で徴候と症状に基づいて行われ、神経伝導検査脳脊髄液の検査などによって裏付けられる[1]

感染症

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ギラン・バレー症候群の約30%を引き起こすカンピロバクター・ジェジュニ走査型電子顕微鏡画像

ギラン・バレー症候群の3分の2は、発症前に感染症を経験している[4]。最も一般的なのは、胃腸炎または呼吸器感染症であり、約30%の症例は、下痢を引き起こすカンピロバクター・ジェジュニ細菌によって誘発される[5]。さらに10%はサイトメガロウイルス(CMV、HHV-5)に起因するものである[5]。それにもかかわらず、カンピロバクターやCMVに感染してもギラン・バレー症候群を発症する人はごくわずかであり、それぞれ1000回につき0.25 - 0.65例、1000回につき0.6 - 2.2例と言われている[5]。細菌はその表面に異なるリポ多糖を持ち、感染した株によってギラン・バレー症候群を発症するリスクが異なる可能性がある[4]。日本では、2018年にカンピロバクターを原因とする食中毒患者で、ギラン・バレー症候群と診断された例がある[6]。十分に加熱されていない肉類を食するとカンピロバクター性のギラン・バレー症候群を発症する場合がある[7]

他の感染症との関連はあまり定かではないが、2つのヘルペスウイルスエプスタイン・バール・ウイルス(HHV-4)および水痘・帯状疱疹ウイルス(HHV-3))と、細菌のマイコプラズマが関連していると言われている[5]。 ギラン・バレー症候群はインフルエンザ後に発症することが知られており、インフルエンザワクチンの接種がリスク低減につながることが実証されている[8]。 熱帯性フラビウイルス感染症であるデング熱およびジカウイルスもギラン・バレー症候群の発症と関連している[9][10][11]。 E型肝炎ウイルスに感染したことのある人は、ギラン・バレー症候群を発症することが多いことが分かっている[4][12]

ワクチン

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季節性インフルエンザワクチンは「ギランバレー症候群」を誘発する可能性が指摘されているが、これは100万回に1例(1000回あたり0.001人)程度の非常に稀なものである[13][14]。インフルエンザの自然感染は、インフルエンザワクチン接種よりもギラン・バレー症候群の強い危険因子であり、ワクチン接種でインフルエンザに罹患するリスクを減らすことで、ギラン・バレー症候群のリスクを低下させることができる[15][16][17][18]

1976年H1N1豚インフルエンザの発生後に行われたインフルエンザワクチン接種では、ギラン・バレー症候群の発生率が増加し、100万回あたり8.8例(1000回あたり0.0088人)が合併症として発症した[19][20]。1976年のインフルエンザワクチン接種による発症リスクは異常値であり、その後のワクチン接種ではこのような著しい増加は起きていない[19][5]

2021年3月24日、帯状疱疹ワクチン「Shingrix」の接種後に、100万回当たり3例のギラン・バレー症候群の増加が推定されたため、FDAは製造元のグラクソ・スミスクライン社にギラン・バレー症候群のリスクに関する警告を記載するように求めた[21]。研究者らは、ワクチンにより帯状疱疹のリスクを減らせるメリットは大きいが、医師と患者は接種前にギラン・バレー症候群のリスクについて認識しておく必要があると述べている[21][22]

COVID-19感染またはワクチン関連

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ギラン・バレー症候群は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して報告されており、COVID-19の神経学的合併症の可能性がある[23][24][25][26]。COVID-19は末梢神経障害を引き起こすと報告されており、最近ではギラン・バレー症候群を含む自己免疫疾患を悪化させるという証拠もある[27]。いくつかの研究では、パーキンソン病が感染者により一般的であることが分かってきている[28]

2021年9月8日欧州医薬品庁(EMA)はアストラゼネカ製ワクチンのごくまれな副反応にギラン・バレー症候群を追加したことを発表した[29][30][31]。同年7月31日までの全世界での接種数5億9200万回のうち、ギラン・バレー症候群の発症が833件(71万回に約1例)報告されていることから、因果関係に「少なくとも合理的な可能性」があると判断した[29]。EMAはこの副反応を頻度が最も低い「非常にまれ」なカテゴリーに分類し、ワクチン接種の効果は副反応のリスクを上回ると強調した[29]米国食品医薬品局(FDA)もジョンソン・エンド・ジョンソン製ワクチンについてギラン・バレー症候群の発症リスクが増加する可能性があると警告した[32][33]。FDAは接種後にギラン・バレー症候群を発症する可能性は「非常に低い」とし、ワクチンにより得られる利益はリスクを上回るとの見解を示している[34][35]

薬物性

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抗うつ薬のジメリジンは、非常に良好な安全性プロファイルを持っていたが、ギラン・バレー症候群のまれな症例報告の結果、市場から撤退した[36][37][38]

分類

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ジョルジュ・ギランは、バレーストロールとともに、脳脊髄液に特異な変化を伴う自己免疫性の急性麻痺2症例を報告した。1925年、彼は師であるピエール・マリーの後任として、パリのサルペトリエール病院神経科の教授に就任した[39]

1859年にフランス人医師のジャン・ランドリー英語版)(: Jean Baptiste Octave Landry)によって、上行性麻痺の一例という報告がなされた。その後、この症例はランドリー上行性麻痺の一例と呼ばれている。

1916年にフランス人医師のジョルジュ・ギラン英語版)(: Georges Guillain)とジャン・アレクサンドル・バレー英語版)が、急性で単相性の運動麻痺を呈した2症例を髄液の蛋白細胞解離と脱髄を示唆する電気生理所見とともに報告したことによりギラン・バレー症候群 (GBS) という名称が定着した。その後、欧米諸国では、急性炎症性脱髄性多発ニューロパチーacute inflammatory demyelinating polyneuropathy (AIDP) と同義語として用いられてきた。現在、ランドリー上行性麻痺の原因はAIDPであったと推定されている。

1970年代より中国で初夏に流行する急性麻痺性疾患が認められた。当初 Chinese paralytic syndrome と命名されたこの疾患は、末梢神経に脱髄やリンパ球浸潤を伴わず軸索変性が認められ1993年にacute motor axonal neuropathy(AMAN、急性運動軸索型ニューロパチー)として認識された。AIDP、AMAN共に先行感染を伴い、単相性の経過をとり、発症後1〜3週間で最大を迎え、その後自然軽快していく、また血漿交換など免疫学的な治療が有効なことからGBSという概念で包括し、軸索型GBSをAMAN、脱髄型GBSをAIDPととらえるようになった