松山城の斜面崩れ3人死亡、30度の上部斜面で不安定化した表層が崩壊

安藤 剛

 

日経クロステック/日経コンストラクション

 

 

松山城の斜面崩れ3人死亡、30度の上部斜面で不安定化した表層が崩壊 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)

 

 

松山城がある勝山の北東側斜面が2024年7月12日に崩壊し、山麓の住宅地(赤線で囲んだ部分)が被災した。斜面上方の城内の道路(黄色い線で囲んだ部分)でも24年7月1日に路面の亀裂などの異変が起こっていた。写真左端は国指定の重要文化財を含む松山城の建築群(写真:パスコ/国際航業)

松山城がある勝山の北東側斜面が2024年7月12日に崩壊し、山麓の住宅地(赤線で囲んだ部分)が被災した。斜面上方の城内の道路(黄色い線で囲んだ部分)でも24年7月1日に路面の亀裂などの異変が起こっていた。写真左端は国指定の重要文化財を含む松山城の建築群(写真:パスコ/国際航業)

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 松山城が立地し、国の史跡となっている勝山(松山市)で2024年7月12日、斜面が崩壊し流れ落ちた土砂で山麓の住宅3棟が全壊、うち1棟で3人の住民が死亡した。同月初旬には山頂付近で道路の亀裂などが生じており、市は関連性を調べている。

松山城がある勝山の斜面崩壊で被災した松山市緑町の住宅地(写真:パスコ/国際航業)

松山城がある勝山の斜面崩壊で被災した松山市緑町の住宅地(写真:パスコ/国際航業)

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 松山市内では24年7月11日と12日の2日間で、計200mm程度に上る雨が降った。12日午前3時49分、市の消防に土砂崩れの通報があった。標高132mの勝山の北東側斜面が高さ約100m、幅約50mにわたって崩れ、土砂が山麓の住宅地に押し寄せた。

勝山の崩れた斜面の拡大。写真左上はブルーシートが掛かっている道路の擁壁(写真:パスコ/国際航業)

勝山の崩れた斜面の拡大。写真左上はブルーシートが掛かっている道路の擁壁(写真:パスコ/国際航業)

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 崩れた斜面の上方では24年7月1日、緊急車両用道路の路面に亀裂が生じ、擁壁が大きく傾いたため、市が7月2日から破損した部材の撤去作業を進めているところだった。7月1日の松山市内の降水量も79mmと多かった。市はこの道路の変状と今回の土砂災害との関連性を調べている