橋脚工事で鉄筋142本倒壊し4人死傷、施工者が指名停止

安藤 剛

 

日経クロステック/日経コンストラクション

 

 

四国横断自動車道の高架橋の工事現場で作業員4人が死傷した事故を受け、発注者の国土交通省四国地方整備局は、施工者の井上組(徳島県つるぎ町)の安全管理措置が不適切だったとして指名停止措置を講じた。期間は2024年6月13日~7月24日。事故発生日は22年7月30日だった。

 

四国横断自動車道津田高架橋P9橋脚の柱部鉄筋の組み立て作業中、作業床を支える架台と柱部鉄筋が倒壊した現場の状況。2022年9月28日に撮影(写真:国土交通省)

四国横断自動車道津田高架橋P9橋脚の柱部鉄筋の組み立て作業中、作業床を支える架台と柱部鉄筋が倒壊した現場の状況。2022年9月28日に撮影(写真:国土交通省)

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 事故が起こった現場は、徳島市内に設ける四国横断自動車道津田高架橋のP9橋脚の工事現場だ。D51と呼ぶ直径約51mmの柱部鉄筋を組み立てる作業中、作業床を支える架台と架台に取り付けた鉄筋の傾きを直そうとしたところ、かえって142本の鉄筋を倒壊させた。作業床に乗っていた作業員4人のうち1人が死亡、3人が負傷した。

 

正面から見た津田高架橋P9橋脚工事現場の架台や柱部鉄筋などの倒壊現場。2022年7月31日に撮影(写真:国土交通省)

正面から見た津田高架橋P9橋脚工事現場の架台や柱部鉄筋などの倒壊現場。2022年7月31日に撮影(写真:国土交通省)

 

橋脚工事で鉄筋142本倒壊し4人死傷、施工者が指名停止 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com

 P9橋脚は高さ16.7m、幅8m、厚さ2.5mで、井上組が22年12月の竣工予定で工事を進めていた。実際の竣工は事故の影響で23年3月に延びた