CLTを使うOAフロアで木質オフィス、三菱地所や乃村工芸社などが共同開発
山﨑 颯汰
日経クロステック/日経アーキテクチュ
三菱地所は、グループ会社のMEC Industry(鹿児島県湧水町)や乃村工芸社、三洋工業、リンレイ(東京・中央)、丸山金属工業(千葉県船橋市)と共同で、国産木材を利用した新建材「WOOD FLOOR UNIT 3.2(仮称)」を開発した。CLT(直交集成板)を用いたOAフロア向けの製品で、MEC Industryが製造・販売する。2024年5月31日に発表した。
床に敷き詰めた新建材「WOOD FLOOR UNIT 3.2(仮称)」。表面を触ると木の質感が残っているように感じた(写真:日経クロステック)
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OAフロアとは、オフィスの床下に電源や配線ケーブル、空調ダクトなどを収納するための2重床だ。従来はスチール製のパネルの上にカーペットなどを敷くのが一般的だった。WOOD FLOOR UNIT 3.2はCLTパネルを使うことでカーペットをなくし、床面に木材の現しを実現している。
WOOD FLOOR UNIT 3.2の床下からケーブルが出る様子(写真:日経クロステック)
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三菱地所によると、「(厚さ54mmの)WOOD FLOOR UNIT 3.2を100m2使用した場合、二酸化炭素(CO2)換算で約3.2トンの炭素固定効果を期待できる」という。環境に優しい建材であることを企業にアピールしていく。
WOOD FLOOR UNIT 3.2は、南九州産のスギを主な原料とする。サイズは約500mm角で、厚さは36mmと54mmの2種類を用意。コーティング剤には、木の手触りや香りが残るものを採用する。接合部はホック(ボタン)を用いて、仕上がり面に金物が見えないようにしている。ホックで留めるだけなので施工が簡単で、省力化にも役立つ。
厚さ54mmのWOOD FLOOR UNIT 3.2。12mm、30mm、12mmの3層で構成する(写真:日経クロステック)
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ホック(ボタン)で接続するWOOD FLOOR UNIT 3.2の裏面。簡単に留められるので施工が簡単(写真:日経クロステック)
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WOOD FLOOR UNIT 3.2の開発における、各社の役割は次の通りだ。三菱地所が製品の企画立案、MEC Industryが材料の製造・加工・販売を担当する。乃村工芸社はデザイン監修や施工監修に加え、製品開発全般についてアドバイスする。
三洋工業は支持脚製造と施工性の検証、リンレイは天然木専用のコーティング剤の開発と性能維持のメンテナンス監修、そして丸山金属工業は仕上げ面に現れない特殊接合金物の開発を担った
CLTを使うOAフロアで木質オフィス、三菱地所や乃村工芸社などが共同開発 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)