Kアリーナ横浜」結ぶ歩道橋に設計ミス、必要な鉄筋量を満たさず強度不足

坂本 曜平

 

日経クロステック/日経コンストラクション

 

「Kアリーナ横浜」結ぶ歩道橋に設計ミス、必要な鉄筋量を満たさず強度不足 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)

 

2023年9月に開業した音楽専用施設「Kアリーナ横浜」と横浜駅方面をつなぐ歩道橋として利用開始を目前に控えていた「(仮称)高島水際線デッキ」で設計ミスが判明した。橋台が必要な鉄筋量を満たしておらず、強度不足の状態だ。横浜市が24年5月31日に発表した。市は6月1日にデッキの利用を開始する予定だったが延期を決めた。

 

 

設計ミスが判明した(仮称)高島水際線デッキ。世界最大規模の音楽専用施設「Kアリーナ横浜」と横浜駅方面をつなぐ(写真:日経クロステック)

設計ミスが判明した(仮称)高島水際線デッキ。世界最大規模の音楽専用施設「Kアリーナ横浜」と横浜駅方面をつなぐ(写真:日経クロステック)

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高島水際線デッキの位置図(出所:横浜市)

高島水際線デッキの位置図(出所:横浜市)

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 高島水際線デッキは、Kアリーナでのイベント終了時に発生する混雑の緩和や歩行時の安全確保などを目的に市が整備したものだ。橋長130.4m、幅員6mの3径間連続鋼床版箱桁橋で、設計はJR東日本コンサルタンツ、問題があった橋台の施工は鹿島が手掛けた。

 

 

 設計ミスが判明したきっかけは、Kアリーナ側の橋台(A2橋台)に生じた長さ約1.2m、幅約3mmのひび割れだ。24年5月17日にデッキ工事を請け負っている施工会社から市に報告があった。A2橋台は頂部を橋軸直角方向に張り出して、上部構造を支持している。ひび割れはこの張り出し部分の根元で見つかった。

 

 

 

ひび割れが見つかった高島水際線デッキのA2橋台。頂部を橋軸直角方向に張り出している(写真:日経クロステック)

ひび割れが見つかった高島水際線デッキのA2橋台。頂部を橋軸直角方向に張り出している(写真:日経クロステック)

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高島水際線デッキのA2橋台に生じたひび割れ(写真:日経クロステック)

高島水際線デッキのA2橋台に生じたひび割れ(写真:日経クロステック)

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 報告を受けた市は、

JR東日本コンサルタンツに現場を確認するよう指示。

 

同社の担当者は現場を確認後、

市に対して「複数箇所でコールドジョイント(コンクリートを打ち重ねた際に生じた継ぎ目)が見つかった。

 

指摘箇所はコールドジョイントによるひび割れで、

6月1日の開通開始に支障はない」といった見解を示していた。

 

 

 しかし、同社が改めて構造計算などを実施した結果、

 

A2橋台は必要な鉄筋量を満たしていないことが24年5月30日に分かり、

 

市に報告した。

 

ひび割れが強度不足によるものなのかは現在調査中だ