新世代CPUの目玉はAI対応と省電力性、インテルの内部構造は大きく変化

石坂 勇三

  

岡野 幸治

  

小谷 宏志

  

滝 伸次

  

田代 祥吾
 
 

パソコンユーザーはCPUの仕組みをイチから学び直す必要があるかもしれない。インテルがこれまでのCPUの概念を覆すような、内部構造の大変革を成し遂げたからだ。

 同社は2023年12月にCPUの新ブランド「Core Ultra」を発表した(図1)。Core UltraにAI処理専用プロセッサー「NPU(Neural Processing Unit)」が搭載されたことが話題を呼んだが、実はもっと重要なことがある。これまでの常識を覆すほど内部構造がガラリと変わっていることだ。インテル自身が「40年ぶりの技術革新」と言うのも決して誇張ではない。それほどの大変革なのだ(図2)。

図1 2023年12月に発表された「Core Ultra」は、ブランド名が刷新されるほど大きな技術革新がなされている。以下、その詳細を解説していこう

図1 2023年12月に発表された「Core Ultra」は、ブランド名が刷新されるほど大きな技術革新がなされている。以下、その詳細を解説していこう

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Core Ultraの注目ポイント

Core Ultraの注目ポイント

図2 Core Ultraは3Dパッケージ技術「Foveros」による内部構造の刷新などで、性能および電力効率の向上が図られている。これから増えてくるAIアプリに対応すべく、AI処理専用の「NPU」を搭載している点も見逃せない

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 Core Ultraは、ユーザーにさまざまな恩恵をもたらす。前世代のCPUより処理性能が大きく向上しているにもかかわらず、消費電力は20%以上下がっている(図3)。ノートパソコンをバッテリー駆動で使う場合などに威力を発揮するはずだ。

Core Ultraは性能が高く、消費電力が下がっている

Core Ultraは性能が高く、消費電力が下がっている

 

 

 

図3 上のグラフは各種アプリを実行してシステム全体の性能を計測するベンチマークテスト「PCMark 10」のスコア。下のグラフはPCMark 10実行時の積算消費電力量を電力計で計測したもの。Core Ultraは、前世代の第13世代CPUより大幅に性能が向上しているが、消費電力は下がっている。インテルはCore Ultraの特徴として電力効率の向上を挙げているが、それが実証された形だ。なお、検証に使用したパソコンは、CPU以外は仕様がほぼ同じものだ

 

 

 

新世代CPUの目玉はAI対応と省電力性、インテルの内部構造は大きく変化 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)