三井ホーム設計の
最大級木造マンション、
ゆめが丘ソラトス
至近で賃料は相場1~2割高
小山 航
日経クロステック/日経アーキテクチュア
相鉄不動産が提供する木造賃貸マンション
「KNOCKS(ノックス)ゆめが丘」が、
2024年5月20日に横浜市で完成した。
設計・施工は三井ホーム(東京・江東)が担当し、
同社の木造マンションブランド「MOCXION(モクシオン)」を
構造に採用している。MOCXIONブランドの建物としては最大規模となる。
建物は木造枠組み壁工法による耐火建築物だ。
延べ面積は約4200m2。
地上5階建てで、
1階は鉄筋コンクリート(RC)造とした。
同階には複合医療施設が入居する。
2~5階が賃貸住戸で、
単身者向けの1K(24.18m2)や
ファミリー向けの3LDK(62.85m2)など
74戸で構成する。
MOCXIONブランドで初の複合施設になる。
KNOCKSゆめが丘は
横浜市と藤沢市を結ぶ鉄道、
相鉄いずみ野線のゆめが丘駅から徒歩2分の距離に位置する。
5月22日にはメディア向けの内覧会が開かれた。
内覧中は鉄道や周辺の工事の騒音が気にならないほど室内が静かだった。
2024年5月20日に完成した木造賃貸マンション「KNOCKSゆめが丘」の外観。
相鉄不動産の賃貸集合住宅ブランド「KNOCKS」の中の1つで
初めて木造を採用(写真:三井ホーム)
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KNOCKSゆめが丘の所在地(出所:三井ホーム)
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相鉄不動産賃貸施設事業部賃貸開発センターの櫻井大将課長は、「木造マンションを開発することで、環境に配慮した街づくりに貢献したい」と説明している。
住戸の賃料は
7万3000円から16万5000円(共益費別)。
周辺の新築賃貸物件に比べて、
「賃料を約1~2割高く設定した」と
櫻井課長は打ち明ける。
それでも早速、20件を超える問い合わせが届いているという。
「ゆめが丘駅周辺は今後も集合住宅の建設が続く見通しだ。
競争力を高める意味で、
木造という特徴を明確に打ち出したマンションには期待が大きい」と語る。
KNOCKSゆめが丘は、
24年6月に入居を開始する予定だ。
ゆめが丘駅前では、
相鉄グループが
手掛ける大規模な商業施設「ゆめが丘ソラトス」が
同年7月25日に開業を控えている。
「商業施設のオープンを機に秋ごろまでには満室にしたい」(櫻井課長)
ゆめが丘ソラトスの外観(写真:相鉄アーバンクリエイツ)
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24年5月22日に開かれた内覧会では5階の住戸が公開された。写真は2LDKの住戸(写真:日経クロステック)
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1LDKの住戸。木質な室内(写真:日経クロステック)
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この建物には構造体を含めて、
木材を約765m3使用している。
床根太の一部にはLVL(単板積層材)を採用した。
建物全体で654トンの二酸化炭素(CO2)を固定する。
RC造の1階エントランスホールにも、
壁面の一部に天然木のクロスやパネルを張った。
サッシには木製ブラインドを取り付けるなど、木質空間を前面に押し出している。
1階エントランスホール。天然木のクロスやパネルは木造であることを強調する演出でもある(写真:日経クロステック)
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木材を積極的に使用する建築計画が評価され、
22年度には国土交通省による「優良木造建築物等整備推進事業」に採択された
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