ライト設計のヨドコウ迎賓館、竣工100年で敷地全体を重文指定へ

奥浜 駿

 

日経クロステック/日経コンピュータ

 

 

淀川製鋼所が所有する兵庫県芦屋市のヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)の敷地が、国の重要文化財に指定される見通しとなった。国の文化審議会が2024年5月17日の文化財分科会の審議・議決を経て答申した。ヨドコウ迎賓館は米国の建築家、フランク・ロイド・ライトが設計した。24年は竣工から100年に当たる節目の年だ。

 

 

 

 

ヨドコウ迎賓館の外観。写真中央の建物が主屋(写真:淀川製鋼所)

ヨドコウ迎賓館の外観。写真中央の建物が主屋(写真:淀川製鋼所)

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 ヨドコウ迎賓館は酒どころとして有名な

 

灘の「魚崎郷」の山邑酒造(現・櫻正宗)8代目当主である山邑太左衛門が建てた

 

鉄筋コンクリート(RC)造4階建ての別邸だ。

 

敷地面積は約5200m2

 

主屋の延べ面積は約542m2

 

主屋は芦屋川東岸の六甲山地から連なる丘陵の斜面に沿って、階段状に立っている。

 

 

 

 来日中のフランク・ロイド・ライトが手掛け、

1918年に基本設計が完了。

その後、ライトの弟子の遠藤新(えんどうあらた)と

南信(みなみまこと)が実施設計を担い、

24年に竣工した。

 

主屋は74年、鉄筋コンクリート造の住宅建築として初めて国の重要文化財に指定された。

 

 

 

主屋の2階の応接室(写真:淀川製鋼所)

主屋の2階の応接室(写真:淀川製鋼所)

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 今回指定されるのは主屋部分を除く敷地だ。

主屋の東側の敷地(以下、東側敷地)には、

大谷石で装飾された階段や擁壁など、

RC造の構造物が現存している。

 

ただ、文化財の指定から外れており、

取り残されたままだった。

 

そこで淀川製鋼所は兵庫県や芦屋市と協議し、

神戸大学の足立裕司名誉教授に主屋の周辺環境の調査を依頼していた

 

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