数十回も、
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設計よりも川幅狭め堤防決壊、
兵庫県が再発防止で
現場確認徹底
佐藤 斗夢
日経クロステック/日経コンストラクション
兵庫県伊丹市の天神川で2023年5月に起こった堤防決壊について、県は再発防止策として現場確認の徹底などを進める。決壊は、河川工事に伴う仮締め切りで設計よりも川幅を狭めていたことが一因だ。県は仮締め切りの位置を正確に把握できていなかった。遮水対策の不備を受け、受注者との情報共有も強化する。24年5月16日の有識者委員会で明らかにした。
被災直後の様子(写真:伊丹市)
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現場では、県が川の下を通るトンネルの拡幅と堤防の補強を進めている。被災当時は準備工事として、トンネル上部に仮設水路を構築するため、土のうを約1.6mの高さに積んで、左岸側の仮締め切りを実施。河川の水は、構築済みの右岸側の仮設水路に通していた。
設計では4m確保するはずだった通水幅が、実際には約2.5mしかなかった。そのため、大雨による流量増加で越水し、土のうが崩落。ドライにしていた箇所に流れ込んだ水が、河床から堤防に浸透して決壊を引き起こした。準備工事の施工者は宇都宮建設(兵庫県宝塚市)、設計者はいであだ。
被災箇所付近の断面図(出所:兵庫県)
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ただし、県は設計通りに仮締め切りがされていなかったことに気付けなかった。施工者が作業空間を確保するために土のうの位置を変えるといった、現場で日々変化する細かな動きを追えていなかったからだ。施工計画に仮締め切りの位置が不記載だったことも見過ごしていた。現場の確認と施工監理能力が不足していた状況だった。
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設計よりも通水幅狭めた河川工事が原因、天神川の堤防決壊
兵庫県伊丹市の天神川で2023年5月に起こった氾濫は、
河川工事に伴う仮締め切りの位置が
設計と異なり、
想定よりも川幅を狭めていたことが一因だと分かった。
仮締め切りの土のうが越水で崩れ、
ドライにしていた...
2023/08/22