“黒い帰化人”が駐在中国人警官を全員本国送還した背景 警察協力協定維持したフィジー
中国との警察協力協定を維持することを決定したばかりの南太平洋のフィジーが、同協定のもとで駐在していた中国人警官全員を本国に送還したことが分かった。その背景には地元で知られる、ある中国出身の人物への疑惑の目があるとの見方も出ている。
フィジー首相、シティベニ・ランブカ氏は28日、豪ABCニュースとのインタビューに応じ、中国とフィジーの関係や、同国における中国の存在が厳しい視線にさらされていることなど、さまざまな政治問題について語った。首相は、中国の台頭が太平洋地域における民主主義体制を弱体化することへの深刻な懸念を抱いていると説明し、中国人警官を送還したことについても触れた。
同国のピオ・ティコドゥアドゥア内務相は先日、ランブカ氏が昨年中国との警察協力協定を破棄する意向を示したが、結果的に同協定の維持を決定したことを明らかにしていた。
その一方で、国民の中国に対する不信感は高まっているという。そのきっかけはフィジーに帰化した中国出身の著名実業家チョー・フーガン(Zhao Fugang)氏をめぐる疑惑が浮上したことだ。ABCによると、不動産開発や観光関連企業を運営する同氏が、麻薬密輸やマネーロンダリング、人身売買に関与する国際犯罪組織の幹部である疑いが浮上し、オーストラリア当局の監視下に置かれていることが明らかになった。
また、24日に放送された豪ナイン・ネットワークの報道番組「60ミニッツ」では、チョー氏が海外で工作活動などを行う中国共産党統一戦線工作部の有力メンバーだったとする証言も飛び出した。これに対し、チョー氏はいかなる犯罪にも関与していないと強く否定している。
だが同氏をめぐる疑惑報道がフィジー国民の中国に対する懸念を高めており、そのことも政府が中国人警察官を急きょ本国に送還した背景にあるのではとの見方も出ている。
これについてランブカ氏はABCとのインタビューで、「深く検討した結果、(中国人)警官を駐在させる必要はないとの結論に至った」と説明。この決定について中国と「継続的な協議」が行われるが、中国側はそれを受け入れたと述べた
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