大鳴門橋のトラス桁内に自転車道整備、2027年度の完成目指す

坂本 曜平
 

日経クロステック/日経コンストラクション

 
 
 
 
 
兵庫県の淡路島と徳島県鳴門市を結ぶ大鳴門橋に自転車道を整備する工事が2024年に始まる。交流人口の拡大や観光振興などを目的に、両県が18年度から検討してきた。徳島県が28億円、兵庫県が30億円と計58億円を投じ、27年度の完成を目指す。
 
 
 

大鳴門橋自転車道の完成イメージ(出所:徳島県)

大鳴門橋自転車道の完成イメージ(出所:徳島県)

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 1985年に開通した大鳴門橋は、全長約1.6km、中央支間長876mの3径間2ヒンジ補剛トラス吊り橋だ。トラス桁の上を自動車専用道として供用。桁の内部に、新幹線の走行を見込んで設けた空間があるが、現在は鳴門市側の一部を遊歩道「渦の道」として利用しているのみだ。

 

 

 このトラス桁内の未利用空間に、遊歩道を残したまま両側に高さ2.5mの防護柵を持つ幅員4mの通路を新設する。自転車道は、出入り口と通路の一部を遊歩道と共有。共有部では幅2.5mを自転車レーン、1.5mを歩行者レーンとする計画だ。

 

 自転車利用者も渦潮を見下ろせる展望室を利用できるようにする。遊歩道との合流部分と展望室では自転車を降りてもらう。

 

 

自転車道を整備した大鳴門橋の断面イメージ。青色で示した部分が新設する自転車道(出所:徳島県)

自転車道を整備した大鳴門橋の断面イメージ。青色で示した部分が新設する自転車道(出所:徳島県)

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大鳴門橋自転車道の構成イメージ。青色の点線が新設する自転車道で、ピンク色の部分が遊歩道「渦の道」(出所:徳島県)

大鳴門橋自転車道の構成イメージ。青色の点線が新設する自転車道で、ピンク色の部分が遊歩道「渦の道」(出所:徳島県)

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 自転車道の新設に伴って、県道から大鳴門橋の遊歩道までのアプローチ橋を新設。さらに、県道沿いに立つ架橋記念館「エディ」をサイクルステーションとして改修したり、遊歩道のエントランス施設の出入り口を増設したりする予定だ。

 総事業区間の延長は、自転車道とアプローチ橋などを含めて1799m。淡路島側から931mを兵庫県、残りの868mを徳島県が整備する。

 

 

 

渦の道エントランス部分の改修イメージ(出所:徳島県)

渦の道エントランス部分の改修イメージ(出所:徳島県)

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県道から渦の道エントランスまでの整備イメージ(出所:徳島県)

県道から渦の道エントランスまでの整備イメージ(出所:徳島県

 

 

大鳴門橋のトラス桁内に自転車道整備、2027年度の完成目指す | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)