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世界初の生体肺肝同時移植手術に成功…京都大病院で10歳未満の男児に親族3人から

読売新聞

 

 

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 京都大病院は4日、遺伝性疾患「先天性角化(かくか)不全症」の10歳未満の男児に、親族3人の肺と肝臓の一部を移植する世界初の生体肺肝同時移植手術に成功したと発表した。手術は昨年11月に行われ、男児は順調に回復し、今月1日に無事退院したという。

 先天性角化不全症は、生まれつき皮膚や臓器などに異常が生じる希少疾患。根治療法はなく、国内の重症患者数は約200人とされる。

 発表によると、男児は関東在住で、40歳代の両親と60歳代の祖父の計3人から臓器の提供を受けた。昨年11月15日に行われた手術では、父親の右肺、母親の左肺、祖父の肝臓の一部が移植され、手術時間は18時間以上に及んだ。

 日本移植学会や日本臓器移植ネットワークによると、脳死ドナー(提供者)からの肺肝同時移植は、海外での実施例はあるが、国内の現行基準には盛り込まれておらず、これまで行われていない。

 男児の両親は病院を通じ、「当初はもう打つ手はないものと絶望的な気持ちで、(移植手術は)唯一の希望でした。今回の移植を機に、諦めるしかなかった患者さんや親族の方の一筋の光になればうれしい」とコメントした