赤字や難工事でも、

 

これをきっかけに、

 

将来の、大きな、数数の、受注に結びつけたいーーーー???

なら、わかりますが

少額でもあり、

 

必要機材の現地調達もままならない、

 

地元関係各省庁などとのやり取り、

 

超・超・難工事、

 

現地従業員との意思疎通と、

 

彼らの、仕事ぶりと正確さ、

 

などなど、

 

長期的に、どこまで、日本のこの2社の、利益になるのでしょうか?

 

ポジティヴに、考えるしかないのでしょうか?

 

 

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フィリピン初の本格山岳トンネル工事で大量出水と軟質地盤に挑む、清水建設JV

ダバオバイパス建設プロジェクト(フィリピン)

佐藤 斗夢
 

日経クロステック/日経コンストラクション

 
 
 
 
フィリピン初の本格的な山岳トンネルは、大量出水や軟質地盤などに対峙する難工事だ。新型コロナウイルス禍などの影響もあり、工期は3回延長。日本からの資材調達が必要といった制約もある。工事をスムーズに進められるよう準備段階から様々な工夫を凝らした。
 
 

切り羽で掘削作業する機械。右はツインヘッダ。軟質地盤なので、発破作業は行わない(動画:日経クロステック)

 

 

 フィリピン南部の中心都市ダバオで同国初の本格的な山岳トンネルの工事が進む。泥岩など軟質地盤が大半を占める地山に、2本のトンネルを掘削。両トンネルの間隔が約20mと狭いうえ、土かぶりが100m超の土圧の高い箇所もある。一時的に毎分200リットルに及ぶ大量の出水にも直面した。切り羽の変状や崩落が起こりやすい厳しい施工条件だ。

 

 

トンネル内で、インバートコンクリートを施工する様子。掘削工事と並行して作業する(写真:日経クロステック)

トンネル内で、インバートコンクリートを施工する様子。掘削工事と並行して作業する(写真:日経クロステック)

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 現場は、フィリピン公共事業道路省が発注した「ダバオバイパス建設プロジェクト」の1区間だ。バイパス中央部の延長約10.7kmの工事を、清水建設と竹中土木、フィリピンの大手建設会社であるアルティコンとで構成するJVが2020年3月に受注した。受注額は約280億円だ。

 

 

 同区間内にある延長2.3kmの上下線2本の山岳トンネル工事は清水建設と竹中土木が主導。2本とも南北の両坑口から掘削する。21年11月に本線トンネルの掘削を開始し、25年3月までの完了を目指す。23年11月末時点でトンネル工区の進捗率は7割超。日本とフィリピン、インドネシアなどから集めた計575人が携わる巨大プロジェクトだ。

 

 

 

ダバオバイパス建設プロジェクトにおけるトンネル工区の位置図(出所:清水建設の資料を基に日経クロステックが作成)

ダバオバイパス建設プロジェクトにおけるトンネル工区の位置図(出所:清水建設の資料を基に日経クロステックが作成)

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北側の坑口。上下線2本のトンネルを掘削する(写真:日経クロステック)

北側の坑口。上下線2本のトンネルを掘削する(写真:日経クロステック)

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 厳しい施工条件のなか、資材調達が工事を遅延なく進めるカギとなっている。フィリピンではこれまで本格的な山岳トンネルの施工実績がなかったため、日本のトンネル標準示方書を適用して設計。日本では簡単に手に入る防水シートなどの主要資材も現地調達できず、日本から約3カ月かけて輸入した。

 

 

 

トンネル壁面に貼り付けた防水シート。坑内に湧水が多く、その対策として講じた(写真:日経クロステック)

トンネル壁面に貼り付けた防水シート。坑内に湧水が多く、その対策として講じた(写真:日経クロステック)

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 実際、大量出水に見舞われた箇所では資材調達のため、工事の遅れを余儀なくされた。出水が生じた箇所は北側坑口から約200m進んだ辺り。土かぶりが約11mと浅く、地表面を沢が横断する地形だ。想定外の大量出水に急きょ、特殊な止水改良剤を日本から輸入して対処することにした。

 

 

切り羽から大量に出水が生じた箇所。ドリルジャンボを使って止水改良剤を切り羽に注入した(写真:清水建設)

切り羽から大量に出水が生じた箇所。ドリルジャンボを使って止水改良剤を切り羽に注入した(写真:清水建設)

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 同剤は切り羽に注入すると、水中で発泡した樹脂が亀裂部などに入り込み、止水効果を発揮する。切り羽へのモルタル注入といった、現場にあらかじめ準備していた資材を使った工法では、水に流される恐れがあった。使用に当たっては、工期の延長を含め、発注者の公共事業道路省を説得して許可を得た

 

フィリピン初の本格山岳トンネル工事で大量出水と軟質地盤に挑む、清水建設JV | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)