モンゴル内での差別と派閥

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元・逸ノ城、異例の“引退相撲なし”ホテル断髪式「元横綱・白鵬が欠席、鶴竜が出席」の裏事情

 
 
 

NEWSポストセブン

異例ずくめとなった(時事通信フォト)

 

 

 

 

 モンゴル出身の元関脇・逸ノ城の断髪式が2月11日、都内のホテルで行なわれ、約400人が鋏を入れた。現役時代に所属した湊部屋の師匠・湊親方(元前頭・湊富士)はじめ部屋関係者が姿を見せない異例の断髪式となった。相撲担当記者が言う。

 

 

 

  【写真】「グー」ポーズをする宮城野親方

 

 

 

「元関取であれば通常は国技館で断髪式を行ないますが、逸ノ城は湊親方と袂を分かつかたちでの引退だったため、ホテルでの断髪式となった。本来は部屋の後援会が中心となって鋏を入れる人を集めるところ、逸ノ城は現役時代にお世話になった関係者に自ら案内状を送るかたちをとった。SNSでも参加者を募り、参加費は3万円だったそうです」  湊部屋関係者は、親方との関係がこじれた原因は年寄株取得問題だったと証言する。 「湊親方は帰化した逸ノ城のために一門の年寄株である『音羽山』を用意したといいますが、取得にあたっての金銭面の問題で逸ノ城側に不信感が募り、親方と弁護士を介してしか会話しないという異常な状態に陥った。協会のイベントをドタキャンするといった問題も起きて、引退に追い込まれました」  そうした事情もあって参加者400人の多くは一般のファンで、女性の姿も目立ったという。後援会関係者はこう話す。 「案内状を受け取った後援会関係者が親方に連絡したところ、“行かないでほしい”と言われたので、有力後援者はほとんど顔を出さなかった。それほどの確執があったわけです。  元幕内力士なら、断髪式と引退相撲がセットになるのが普通で、引退相撲はチケットを買えば誰でも観戦できるが、断髪式に参加できるのは招待者のみ。“ひと鋏10万~20万円”の祝儀を包むのが一般的。その意味では逸ノ城の鋏入れが3万円というのは安い。  また、国技館の断髪式は女性が土俵に上がれないことから、男性の後援者ばかりになるが、ホテルだと女性も鋏を入れられるという違いも生まれた。女性ファンの集まった点でも異例の断髪式でしたね」

 

 

 

1人3万円の会費で400人が集まったとなると、祝儀を包んだ関係者のぶんを別にしても単純計算で1200万円が集まったことになる。一方で、その400人のメンバーを細かく見ていくと、同郷のモンゴル人脈のなかでの「出欠」の違いが興味深い。 「止め鋏は湊親方に代わって鳥取城北高の相撲部総監督の石浦外喜義校長が務めた。会場にはモンゴル出身の音羽山親方(元鶴竜)、大島親方(元旭天鵬)、高砂親方(元朝赤龍)の3人の親方に加え、現役力士は霧島、千代翔馬、水戸龍、狼雅が出席。鳥取城北OBでは美ノ海も鋏を入れた。だが、同じモンゴル出身でも、宮城野親方(元白鵬)や横綱・照ノ富士、豊昇龍、玉鷲、元・朝青龍などの姿はなかった」(出席者のひとり)  横綱経験者という大物だけを見ても、音羽山親方が姿を見せた一方、宮城野親方の姿はないという違いがある。何によって「出欠」の判断が分かれたのか。協会関係者はこう話す。 「逸ノ城は遊牧民出身で、もともと首都・ウランバートル出身の他のモンゴル勢とは距離があったのが実情。しかも、元・白鵬の宮城野親方は協会内での支持を広げてこれから理事を狙っていく立場でもある。師匠から離反するようなかたちで協会を去る人間には興味がなかったということでしょう。一方、元・鶴竜の音羽山親方については逸ノ城が廃業したことで年寄株『音羽山』が回ってきたかたち。これがなければ協会に残れなかったかもしれないのだから、いわば恩人。出席は当然のことです」  それぞれの思惑が交錯する点でも異例の断髪式となったようだ。 ※週刊ポスト2024年3月1日号