アステラス社員拘束の中国「日本でも同じ問題起きている」…訪中団「あそこまで反論するとは」

読売新聞オンライン

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 中国の王文濤(ワンウェンタオ)商務相が今月25日、日中経済協会の訪中団と北京で会談した際、中国当局による邦人拘束について「中国人にとっても日本では同様の問題が起きている」と述べ、正当化していたことが訪中団の議事録から明らかになった。 

 

 

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 会談は冒頭を除いて非公開で行われた。議事録によると、団長の進藤孝生・日本製鉄会長や経団連の十倉雅和会長らが、2023年10月にアステラス製薬の日本人社員が正式逮捕された問題を念頭に反スパイ法への強い懸念を表明した。

 これに対し、王氏は、日本で同年6月に国立研究開発法人「産業技術総合研究所」の中国籍の主任研究員が、同12月に電子部品大手「アルプスアルパイン」の中国籍の元社員が、営業秘密の情報を漏えいした容疑などで逮捕された事件に言及。「大きく騒ぎ立てるのではなく、成熟した国家間の成熟した関係を期待している」と語り、譲歩する意向がないことを示唆した。

 反スパイ法を巡る不安の解消などが期待されていただけに、訪中団関係者は「あそこまで具体的に反論するとは思わなかった」と落胆した。約4年ぶりとなった経済界の訪中団は、李強(リーチャン)首相とも会談し、経済分野の連携強化で一致した。

(中国総局 山下福太郎

 

 

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