皆様、大変、ご苦労さまです。

 

 

 

 

 

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被災地道路復旧の奮闘記、

発災翌日から

 

不眠不休で働く地元建設会社

佐藤 斗夢

 

日経クロステック/日経コンストラクション

  

真鍋 政彦

 

日経クロステック/日経コンストラクション

 

 

能登半島を襲った地震の影響で、各地で土砂崩れや道路陥没が相次いだ。寸断された道路の緊急復旧を精力的に担っているのが地元の建設会社だ。地震発生の翌日から復旧支援に携わる石川県建設業協会の真柄卓司常任理事(真柄建設社長)に、県内の建設会社による作業状況などをオンラインで聞いた(インタビューは2024年1月10日に実施)。

真柄 卓司(まがら・たかし) 石川県建設業協会常任理事

真柄 卓司(まがら・たかし) 石川県建設業協会常任理事

1972年生まれ。97年に大林組入社後、2002年3月に退職。同年4月に真柄建設へ入社し、専務などを経て17年6月から代表取締役社長(画像:日経クロステック)

現在、どのような体制で緊急復旧に当たっているのか。

 1月10日現在、車両が道路を緊急通行できるよう、土砂の撤去や路面の補修などを手掛ける「啓開作業」に取り組んでいる。作業に臨んでいるのは、主に金沢市以南の建設会社だ。災害協定に基づき、石川県の要請で県建設業協会が加盟各社へ作業を指示している。

2024年1月2日の啓開作業の様子(写真:石川県建設業協会)

2024年1月2日の啓開作業の様子(写真:石川県建設業協会)

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 重機のオペレーターや補助作業者など3、4人が1班となり、10日には12班を送り出している。3日には4班、翌日の4日には8班と徐々に数を増やした。これまでに能登半島地震で道路啓開に当たっている会社は、25社程度に及ぶ。

道路の復旧状況はどうか。

 復旧体制を拡大できたことが奏功し、4日には一部の主要道路の啓開作業が完了し、寸断されていた半島北部へのアクセスを回復できた。大型車両の通行が可能になり、支援活動の本格化につながった。

 現在、道路の復旧が進む内陸部から沿岸部へ“くしの歯状”に道路啓開の範囲を広げている。片側1車線でも構わないので、まずは通行可能なエリアの拡大を優先している段階だ。

能登半島内の主要な幹線道路は2024年1月9日午前7時の時点で緊急復旧が約8割完了している(出所:国土交通省)

能登半島内の主要な幹線道路は2024年1月9日午前7時の時点で緊急復旧が約8割完了している(出所:国土交通省)

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 幹線以外の道路の緊急復旧は、主に市町村の要請を受けた地元の建設会社が担っていると見込まれる。各社被災しているので、限られた人員が不眠不休で作業しているようだ。10日になってようやく社員全員の安否確認が取れた会社があるとも聞く。

 一方で、被害が軽微だった地域では地元道路の緊急復旧が終わり、他地域の復旧支援に回り始める会社も出てきた。

発災当初の対応を教えてほしい。

 私が社長を務める真柄建設(金沢市)では1日の地震発生後、BCP(事業継続計画)に基づき、スマートフォンのアプリを使って社員の安否確認を実施。その日のうちに社員全員の無事を確認できた。

 翌朝、役員の召集がかかり県建設業協会に赴いたところ、県から協会に対して道路啓開の要請があった。主要道路で多くの土砂崩れの被害が生じているということだったが、まだこの時点では被害の全容は分かっていなかった。

珠洲市の大谷狼煙飯田線へ向かう国道の被害状況(写真:石川県建設業協会)

珠洲市の大谷狼煙飯田線へ向かう国道の被害状況(写真:石川県建設業協会)

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 そこで、2日昼には第1陣となる重機1台を積んだダンプトラックが金沢市内を出発。しかし、想定以上に道路が損傷していた。ダンプが乗り越えられない段差が多数あり、その都度重機を降ろして土をならすなどの対応が必要だった。

 そのため、目的地の輪島市門前町に到着したのが、午後11時を過ぎてしまった。道路が約300mにわたって著しく損傷しており、今日、明日で対処できる状況ではなかったので、周辺部の道路の復旧に取り組むこととした。

倒木の撤去も啓開作業の1つ(写真:石川県建設業協会)

倒木の撤去も啓開作業の1つ(写真:石川県建設業協会

 

 

 

被災地道路復旧の奮闘記、発災翌日から不眠不休で働く地元建設会社 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)