在日クルド人コミュニティ「ワラビスタン」を取材して

英誌「埼玉のクルド人街は日本の移民政策の愚かさを物語っている」

 

 

 

 

エコノミスト(英国)

 

 

 

トルコ系クルド人が集住する埼玉南部、通称「ワラビスタン」を英誌が取材。外国人労働者に依存しながらも彼らを歓迎しない日本の移民政策は愚策だと指摘している。

 

移民を「裏口」から受け入れる


東京の北にある埼玉県蕨(わらび)市の教室で、11歳の少年が日本語でおしゃべりしながら「川」と「木」の漢字を書く練習をしている。別に珍しくもない光景だ。その少年、ボランが日本人ではなくクルド人ということを除けば──。

蕨市とその周辺地域には約2000人のトルコ系クルド人が暮らしており、その数はこの10年で4倍に増えた。通りにはケバブ屋が軒を連ね、ゴミの分別方法がトルコ語で書かれている。地元では「ワラビスタン」と呼ばれている地域だ。

このコミュニティは、ここ数十年における日本の最大の社会的変化のひとつを物語っている。高齢化が進んで労働人口が減少する日本では、新たな人材が切実に求められているが、日本の政治家はいまなお移民に強い反感を抱いている

 

 

 

 

その結果、ますます多くの移民を裏口から受け入れるという政策が取られることになった。日本に暮らす外国人の数は1990年以来、3倍に増加しており、2022年には過去最高の300万人(人口の2.4%)を記録した。

蕨市一帯はその傾向を如実に示している。隣接する川口市に暮らす4万人の外国人住民は市の人口の6.8%を占め、10~20年前には想像もつかなかった水準に達している。

こうした移住者は地域経済にとってもはや不可欠な存在となっている。

 

 

にもかかわらず、

 

 

その多くが

 

不法滞在者や、

 

就労が認められていない難民申請者

 

 

 

 

 

解体業を支えるクルド人


川口市は金属鋳造業が盛んなことで知られているが、いまやその工場の大半がフィリピンとベトナムからの移民に依存している。

経済的な機会を求め、トルコの圧政から逃れてきたクルド人がこの地域に住みはじめたのは、1990年代のことだ。その多くが地元の女性と結婚し、子供をもうけた。クルド人はまた、同地域の解体業界の成長にも貢献している

 

 

 

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