JN・1は、2022年に流行したオミクロン株の派生株「BA・2」がさらに変異したウイルス
「BA・2・86」(通称ピロラ)
の約2倍の感染力
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コロナ新変異株「JN.1」 従来より高い伝播力と免疫逃避能力
街を行き交う人たち=東京都千代田区で2023年1月29日、丸山博撮影
国内でも急速に拡大している
新型コロナウイルスの新変異株「JN・1」について、
これまでの変異株に比べて、
免疫をかいくぐる能力が高く、
感染が広がる力も強いとの結果を、
東京大医科学研究所の佐藤佳教授が主宰する研究チームがまとめた。
今後の流行株になる可能性があるという。
JN・1は、2022年に流行したオミクロン株の派生株「BA・2」が
さらに変異したウイルスだ。
23年11月ごろから世界的に感染が広がり、
世界保健機関(WHO)は翌12月に
「注目すべき変異株(VOI)」に指定した。
国立感染症研究所によると、
国内でJN・1が検出された割合は、
12月上旬の1週間で1割強だったのが、
約3週間後には3割強に高まり、
大幅に増えつつあるとみられている。
だが、JN・1の細かな性質などは分かっていなかった。
そこで研究チームは、
英国やフランス、スペインの
ウイルスゲノムの疫学調査に関するデータや、
培養細胞などを使って調べた。
その結果、
感染者1人が何人に感染を広げるかを示す
「実効再生産数」は、
現在流行している変異株の1・2~1・4倍程度で、
広げる能力が高いことが分かった。
培養細胞を使った実験では、
23年夏に国内で確認され、
世界的にも流行した「BA・2・86」(通称ピロラ)
の約2倍の感染力がある可能性が示された。
ワクチン接種者が持つ抗体から逃れる力は、
「BA・2・86」ピロラの
3・6~4・5倍だった。
新型コロナに感染することで
体内に作られる抗体からの逃避能力は、ピロラの3・8倍だった。
研究チームは
「今後、JN・1は全世界に拡大し、
流行の主体になることが懸念される。
有効な感染対策を適切に行う必要がある」としている。
成果は英医学誌「ランセット」の姉妹誌に掲載された。
【渡辺諒
コロナ新変異株「JN.1」 従来より高い伝播力と免疫逃避能力(毎日新聞) - Yahoo!ニュース