地盤改良で固さが設計値の6倍に、橋脚工事費が2600万円増
青野 昌行日経クロステック/日経コンストラクション
埼玉県白岡市の橋梁工事で、クレーンの重さに耐えるよう地盤改良したところ、設計値よりも大幅に固くなり、その場所に後で設置する橋脚の工事費が約2600万円増大することが分かった。2024年5月末までだった橋脚工事の工期は3カ月延びる。市が23年11月30日に開会した市議会に、契約変更に関する議案を提出した。2023年10月3日に実施した桁架設の様子。大型クレーンで177tの橋桁を吊り上げた(写真:白岡市)
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工費が増大したのは、東北自動車道をまたぐ市道白岡宮代線の橋だ。橋長は232mで、西側から3径間連続非合成鈑桁(ばんげた)、単純非合成鈑桁、4径間連続非合成鈑桁で構成する。
白岡宮代線の橋の概略図(出所:白岡市)
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P3橋脚とP4橋脚の間に架設する単純非合成鈑桁の工事は、高速道路上での作業となるため、市が東日本高速道路会社に委託。東日本高速から工事を受注したJFEエンジニアリング(東京・千代田)が、桁の架設の他、桁を吊るクレーンの設置場所の地盤改良も担当した。
クレーンの総重量は1400t。重りやワイヤなどを含めると2128tの重量が地盤にかかるので、そのままでは耐えられない。そこで、クレーンの設置場所を含む約1080m2の範囲を、中層混合処理工法で4.8~6.4mの深さまで改良した。改良地盤の強度の設計値は約300kN/m2だった。
ピンク色の斜線部が地盤改良範囲。中層混合処理工法で4.8~6.4mの深さまで改良した。橋脚工事のため、青線で囲った箇所の改良地盤を掘削して通常の土に入れ替える(出所:白岡市)
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2023年10月3日の桁架設の様子(写真:白岡市)
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東北道上の桁の架設が終わり、クレーンのあった場所にP5・P6橋脚を施工しようとしたところ、想定以上に地盤が固いことが分かった。強度が最大で約1800kN/m2あった
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