ミュージックテラス(Kタワー横浜・ヒルトン横浜・Kアリーナ横浜、横浜市)
扇形の巨大ライブ会場が開業
約2万人収容、見切れ席のない大空間を実現 発注:ケン・コーポレーション 設計:野沢誠(総合クリエイター)、梓設計、国建、鹿島 施工:鹿島
池谷 和浩
ライター
横浜・みなとみらい21地区で、巨大な扇形のライブ会場「Kアリーナ横浜」が開業した。複合施設「ミュージックテラス」の一部で、音楽専用では世界最大級の約2万2000人を収容する。
複合施設「ミュージックテラス」の全景。左側の白い建物がKアリーナ横浜だ。現在、写真手前を走る貨物線、JR高島線上へ跨線橋が建設されており、完成後はみなとみらい大橋との距離がより縮まる(写真:安川 千秋)
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2023年9月29日、徐々に日が暮れていく中、ペデストリアンデッキに続々と人が集まり始めた。この日、横浜・みなとみらい21地区の一角で開業した、「Kアリーナ横浜」への入場を待つ観客たちだ。施設のこけら落とし公演となったのは、横浜出身の2人組バンド「ゆず」による2日間のライブだ〔写真1〕。
〔写真1〕開業初日から観客が押し寄せた
9月29日、開業当日のKアリーナ横浜。間接照明でライブ前の雰囲気を盛り上げた。デッキと1階を結ぶ階段は建築基準法上の避難階段として、手すりを設置した(写真:安川 千秋)
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断面図
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Kアリーナ横浜はJR横浜駅の南側、駅付近とは帷子(かたびら)川を挟んだ対岸に立地している。複合施設「ミュージックテラス」の一部に当たり、ペデストリアンデッキに接続する形で超高層のホテル棟やオフィス棟も併設している。これらは都市再生特別措置法に基づき、国土交通省が民間都市再生事業計画として認定した再開発プロジェクトだ。発注者は不動産会社のケン・コーポレーション(東京都港区)、土地取得費用を含めた総事業費は約1000億円だ。
Kアリーナ横浜とオフィスは同社グループ会社が運営する。ホテルはケン・コーポレーションと米ヒルトングループがフランチャイズチェーン(FC)契約を締結、「ヒルトン横浜」として9月24日に開業していた。
設計に携わったのは、ケン・コーポレーション企画部理事で総合クリエイターの野沢誠氏の他、梓設計(東京都大田区)、国建(那覇市)、鹿島だ。施工は全体を鹿島が担当し、Kアリーナ横浜の特殊設備工事をソニーマーケティングが担当した