ヒロシです
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Akeno Himejima
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もう収入は答えたくない」ヒロシさん 底辺からブレークして生活一変も、高級車を手放したワケ #ニュースその後 #令和のカネ
「ヒロシです」のネタで活躍し、現在では趣味のソロキャンプ動画などを配信するユーチューバーとしても人気を集める芸人のヒロシさん(51)。一時期、最高月収が4000万円に達した経験を経て、「お金があっても幸せとは限らない」と悟ったといいます。そして、51歳になって訪れた心境の変化とは――。【大平明日香】
ホスト時代は月収2、3万円
――芸人として売れるために、福岡の芸能事務所を辞めて上京したそうですね。上京後はどんな暮らしだったのですか。
◆アルバイトで生計を立てて、月7、8万円くらいの収入でした。
コンビニや漫画喫茶の店員など、相当な職種を経験しました。お金を稼ぎたければきっちりシフトを入れればいいだけなんですが、働くのが嫌いだったので、週3回を限度にしていました。働くのが好きだったら、芸人になっていませんから。 ――新宿・歌舞伎町でホストもしていたそうですね。華やかなイメージがありますが、実際はどうだったのですか。
◆僕もそういうイメージでした。
女の人と話してお金をもらえるなら最高だなと。でも実際はそんなことはなくて。最初1、2カ月は最低日給が出ていたんですけど、その後は完全歩合制になって地獄が始まりました。指名されないと1円にもならないんです。 僕は指名が少なくて、稼ぎは月2、3万円くらい。それでは生きていけないので、週1回はコンビニのアルバイトをして、なんとか月収8万円くらいだったと思います。ホストは3年間やって、後半では時々月30万円くらい稼げましたが、何回もあったわけではありません。
車はジャガー、インテリアは大塚家具
――「ヒロシです」のネタでブレークし、最高月収は4000万円だったと明かしています。そのお金は何に使ったのですか。
◆高級マンションに住みたくて、家賃40万~50万円くらいの物件に引っ越しました。
ホストをやっていた時は、家賃が支払えなくて、最終的に住む家をなくしたこともありました。街中で女の人に声をかけ、「今夜泊めてほしい」と言ってつないでた時期もありましたから、良い場所に住むのが憧れでした。車はジャガーを買い、インテリアは大塚家具で高い家具を一式そろえました。 あと、あまりにレベルの低い話なんですけど、ちょうど売れ始めた頃は靴底がはがれていて、雨が降ったらいつも靴下がぬれていたんです。だから、靴を買いましたね。底辺の生活からの成功だったので、こういうささいなことが喜びでした。 ――生活が一変したわけですが、今振り返るとどうですか。
◆お金持ちの生活って、大変というわけではないですが、僕には必要なかったなと。
(東京都)目黒区とか港区に住んでいたんですけど、正直用事がないんですよね。僕、お酒も飲まないし、行く店も松屋とかホームセンターとかで。でも、その地域にはあまりないじゃないですか。スーパーの肉なども高いんです。やっぱり物価が違うんだなと思いました。 ジャガーも何度か壊れても修理しながら乗っていたんですが、最後に決定的に壊れましたね。見積もりを出したら、修理代で百何十万円と言われて。その時、車屋さんに「ジャガーに乗るってことは、神田うのさんと結婚するってことと同じです」と言われたんです。セレブと結婚するのと同じくらい、お金がかかるんだと。それで、手放す決意をしました
誰も見てないだろ」で始めたユーチューブ
――ブレーク後、自らテレビを離れたそうですが、何が一番しんどかったのですか。
◆当時は自分が思っていないことを言わないといけない、演じないといけない、ということに窮屈さを感じていました。
テレビ側は、こういう役を求めているんだろうって分かってはいたんですけど。 例えば、「全盛期いくらでしたか?」「月収4000万円です」「今はいくらですか」「5万円です」――というやりとり。これが本当に嫌で。 本当は「月80万円もらってるんだけどな……」って思いながらも、そんなことを言ったらオチないわけで。求められることを答えて面白いならいいけど、面白くもないなと思っていました。 ――ユーチューブを始めたきっかけは?
◆何かやってみようとその前に「ヒロシのわくわく放送局」というネットラジオをやっていました。
有料なので、すごいコアなファン3人くらいしか聴きに来ませんでしたね。テレビ以外で発信できる場所を探していたのかもしれません。 その後、「イベントなどの営業だけで食べていける」という感じになって時間もできたんです。平日は休みもあったので、普通に趣味のキャンプに行き、動画を回しただけです。その時に「そういえばユーチューブがあったな」って思い出し、(動画を)ただ載せてみたのが始まりでした。 ネットラジオの経験から「誰も見ていないだろ」って思っていたのに意外とヒットしたんです。一切狙ってなかったので、何が起こるか分からないものだなと思いました。それから取材が来たり、キャンプ関連での仕事が増えたりして、登録者数も増えていったという感じですね。
ぜいたくが性に合わないみたい
――今の収入はどのくらいですか。
◆だから、収入は答えたくないんですよ。
というか、僕は会社(個人事務所)をやっているんですが、
会社の売り上げがどんなにあっても、
僕には毎月80万円を
振り込んでもらうというシステムにしていますね。
――キャンプ以外でどんなことにお金を使っていますか。
◆今は古物集めが好きです。
普通の人から見たら、ゴミみたいに見えるものを拾ってくるのが好き。洋服も高いのは別に着てないです。今着ている服も中古ですよ。良いものを掘り出し物として安く買うのが喜びですね。
マイホームとして、
2年前に中古の一軒家を買いました。
車やバイクが好きなんですけど、ガレージみたいな置き場が欲しかったのが理由です。
東京って駐車場代が高いじゃないですか。家には好きな古物を並べたり、業者に頼まないで芸人仲間や自分でリノベーションしたりしています。 だから板やのこぎりなどを買うのにお金は使いますけど、たかがしれていますよね。ぜいたくというのが性に合わないみたいです
キャンプ、キャンプって続くと…
――お笑い芸人でブレークしていた頃と、キャンプという趣味でブレークしている今とでは精神的に違いますか。
◆これは一概にはいえないですね。
お笑いだって、好きで憧れがあったので芸人になりました。売れた時は「よし!」と思ったし、楽しいこともありました。でも、それもつらくなって逃げちゃいましたね。 キャンプは楽しいですよ。でも、キャンプ、キャンプ……って続くと嫌になることもあります。
――キャンプの仕事にも大変さがあるのですね。
◆例えば、テレビ番組でスタッフさんが用意したキャンプ道具を使ってやれば簡単ですよ。
でも、それじゃ道具も違うし嫌ですね。自分のキャンプスタイルを見せたいんです。そしたら、自分で道具を全部用意しないといけない。 前日の準備や片付けもあります。僕には僕のキャンプスタイルがあるのに、スタッフさんに伝わらなくて悩むこともありました。最近は理解されてきた実感はありますけどね。
お金はたくさんはいらない
――今後の夢は。
◆以前は「もう一回見返してやる」とかありましたけど、
最近は純粋に好きなことをやりたいなと思っていますね。
キャンプ関連でいったら、もっと自分のブランドを充実させたいし、店を持ったら楽しそうだなと思います。
保護猫を飼い始めたんですけど、
すごく人なつっこくてかわいいんですよ。拾ってくれた人がいなかったら、多分死んでるんですよね。
だから、保護猫の活動にも携わりたいな、なんて気持ちが少し出てきたり。
51歳になって、
自分に満足してきた部分があって、なんか変な感情が出てきました。
今度は世の中のためになりたいなって……。
かっこつけているけど、年齢のせいかな。自分でもこんな気持ちになると思わなかったです。
――最後に、ヒロシさんにとってお金とは何ですか?
◆お金はあくまで道具だってことですかね。
今は理解できるんですよ。
でも、昔は月7万円しかないから「使ってもなくなるだけ」って思っていましたし、心もすさんでいました。 今は、生き方によっては、お金はなんとでもなるよなあって思います。お金を生み出す能力さえ持っていれば、別にたくさんはいらない。たくさんお金があっても使い切れるわけでもないし、幸せってわけでもない。そういうことを漠然と感じていますね。
◇ヒロシさん
1972年生まれ、熊本県出身。トリオやコンビでの活動を経て、ピン芸人としてブレーク。2015年にユーチューブで「ヒロシちゃんねる」を開設。趣味のソロキャンプ動画の配信で人気を集め、登録者数は115万人を超える。BSーTBS「ヒロシのぼっちキャンプ」(毎週水曜午後10時)などに出演中。著書に「ひとりで生きていく」(廣済堂出版)、「ヒロシのひとりキャンプのすすめ 公式本」(Gakken)など
「もう収入は答えたくない」ヒロシさん 底辺からブレークして生活一変も、高級車を手放したワケ #ニュースその後 #令和のカネ(毎日新聞) - Yahoo!ニュース