フランス、「アバヤ」を公立学校で禁止 マクロン氏「妥協しない」

 

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フランス西部サブネで2023年9月4日、新年度を迎えて登校する中学生たち=ロイター

 

 

 フランス政府は4日に始まった新年度から、全身を覆う女性の伝統衣装「アバヤ」の公立学校での着用を禁止した。政府は学校での政教分離の原則に沿った措置としているが、イスラム系フランス人から差別との反発も出ている。

 

 

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アバヤは顔や手以外の全身をゆったりと覆う長い丈の衣服で、イスラム諸国の一部の女性が着用する伝統的な民族衣装。アタル教育相は8月27日、テレビ番組のインタビューで「アバヤはもう学校に着ていけない」と宣言した。マクロン氏も1日、「我々の国の学校は政教分離が原則だ。この問題では一切妥協しない」と断言した。  フランスは2004年、憲法で定める政教分離の原則に従って、公立学校の校内で宗教的な帰属を示すシンボルや服装の着用を禁止した。イスラム教徒の女性が髪を覆うスカーフ「ヒジャブ」の着用も禁止されたため、当時は「宗教スカーフ禁止法」としてイスラム社会から「イスラムの生徒を狙い撃ちにした差別」として猛烈な反発を招いた経緯がある。  マクロン政権はヒジャブを禁止した法律に基づき、8月31日付の公立学校への通達で、アバヤに加えて、イスラム教徒の男性向け伝統的民族衣装の「カミス」についても新たに禁止対象にした。ヒジャブと同様に、教員の説得に応じず生徒らが着用を続けた場合、学校は処罰できる。これに対して、在仏イスラム教評議会(CFCM)は「アバヤは宗教的なシンボルではなく、ファッションの一種だ」などと抗議している。

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