1億円プレーヤーが多い企業、断トツなのはあの大手ITベンダー

安藤 正芳、杉山 千織

 

日経クロステック/日経コンピュータ

 

本特集は国内ITサービス企業主要20社の有価証券報告書や決算資料を読み解き、売上高や収益力、成長性、平均給与など、様々な観点で比較している。上場企業が事業年度ごとに提出する有価証券報告書には、2010年3月期から年間1億円以上の報酬を受け取る役員の氏名と一人ひとりの報酬額を開示することが義務付けられている。

 今回は2022年度の有価証券報告書を基に1億円以上の報酬を得ている人物を取り上げる。ただし社外取締役や監査役は除き、NECや日立製作所、富士通のようにIT以外の事業も幅広く手掛ける企業の場合は、それらの事業を担当する役員も含めた。日本オラクルは8月17日時点で2023年5月期の有価証券報告書を公開しておらず、2022年5月期の実績を参考値として掲載した。

1億円プレーヤーは計39人、日立製作所にずらり

 国内ITサービス企業主要20社のうち、1億円以上の報酬を得ている役員、「1億円プレーヤー」は計39人いた。最も多かったのは日立製作所で20人。2位は野村総合研究所(NRI)で5人だった。

ITサービス企業20社の中で1億円以上の報酬を得ている役員と報酬の総額(1~20位)

ITサービス企業20社の中で1億円以上の報酬を得ている役員と報酬の総額(1~20位)

(出所:有価証券報告書を基に日経クロステック作成)

[画像のクリックで拡大表示]

 まず1~20位を見ていこう。上位の3人はいずれも日立製作所だった。トップ10でも同社の役員が8人を占めるなど、役員報酬の手厚さが際立つ。1位はクラウディオ・ファキン執行役専務で、報酬総額は6億6100万円だ。2位は小島啓二社長兼CEO(最高経営責任者)の4億4000万円、3位の東原敏昭会長は4億400万円である。 同社のIT関連事業では、デジタルシステム&サービス統括本部長を務める徳永俊昭副社長が10位(報酬総額は1億9600万円)となっている。

 日立製作所以外に目を向けると、富士通の時田隆仁社長が5位にランクインしており、その報酬総額は3億円である。有価証券報告書によると、時田社長の報酬内訳は基本報酬が8200万円、賞与が5700万円、業績連動型株式報酬が1億5900万円である。時田社長の2022年3月期の報酬総額は1億9100万円だった。1年前と比べて1億900万円も増えた背景には、業績に連動した株式報酬の増加があるとみられる。

 20位以内を見ると、NRIの此本臣吾会長兼社長が9位(報酬総額は2億100万円)に入った。11位にはGMOインターネットグループの相浦一成副社長(同1億9000万円)、18位にはNECの新野隆会長とトレンドマイクロのマヘンドラ・ネギ副社長(同1億5000万円)がランクインした

 

1億円プレーヤーが多い企業、断トツなのはあの大手ITベンダー | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)