メガネスーパー新社長「巧妙な不正、気づけず」前社長らの疑惑追及へ
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メガネスーパーを運営するビジョナリーホールディングスの松本大輔社長=2023年8月7日、東京都中央区
「メガネスーパー」を営むビジョナリーホールディングス(VH)の前社長らに利益相反取引などの疑惑が浮上している問題で、3月就任の松本大輔社長(49)が朝日新聞の取材に応じた。前社長らの責任を刑事・民事の両面で追及し、眼鏡事業では高付加価値路線を変えずに価格を抑えていく考えを明らかにした。
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米マッキンゼー出身の松本氏は2017年からVH社の社外取締役を務めた。前社長の星崎尚彦氏の経営手腕は「売り上げの回復や店舗の再構築などで成果を上げた。発想が面白いし、実行力もある」と評価した。ただ、会議で「経費は1円たりとも無駄にしないで」と星崎氏が話すのをよく聞いており、不正の発覚は「衝撃が大きい」と話す。 第三者委員会の調査報告書によると、星崎氏は一部の幹部や業務委託先と「星組経営会議」を結成。コールセンターの業務委託などで不要な支出をしたり、メガネスーパーの店舗を元従業員に譲渡させたりした疑いが持たれている。 一部の不正は13年ごろから続いていたとみられ、松本氏は「(社外取として)気づけずに反省している。手口が巧妙だった」と語った。刑事告訴に向けて警察に相談しているほか、多額の損害は注意義務違反が認められる役員も含めて請求していく方針も示した。 松本氏は一連の問題について「完全に経営陣の不正で、現場で働くメンバーとはまったく関係がない」と強調した。メガネスーパーについては「付加価値が高くてもリーズナブルでわかりやすい価格設定に変えていく」と述べた。コールセンターなどの委託先の変更で年3億円の費用削減を見込んでおり、業務の効率化で価格を抑え、2%程度にとどまる市場シェアを高めたい考えだ。(藤田知也)
朝日新聞社
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