日本初の2人暮らし「3Dプリンター住宅」を44時間30分で施工、価格は550万円
川又 英紀
日経クロステック
セレンディクス(兵庫県西宮市)は2023年8月2日、同年7月25日に愛知県小牧市で、日本初となる2人暮らし向けの3Dプリンター住宅「serendix50」が竣工したと発表した。施工時間は44時間30分で、目標としている48時間よりも3時間30分短い時間で完成させた。
日本初となる2人暮らし向けの3Dプリンター住宅 「serendix50(フジツボモデル)」(写真:セレンディクス)
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serendix50は平屋建ての住宅で、間取りは1LDK。延べ面積は50m2。最高高さは4m。構造は鉄骨造、鉄筋コンクリート造だ。販売予定価格は550万円。今後はまず、限定6棟の先行販売を予定している。
22年10月にセレンディクスが一般販売を開始した3Dプリンターによる建築物「serendix10、スフィア10m2モデル」(本体販売価格は330万円)の発表後、同社には60代以上の夫婦世帯から終の棲家(ついのすみか)として3Dプリンター住宅を望む声が多数寄せられたという。
そこで同社は、慶応義塾大学KGRI環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センターと共同プロジェクトをスタート。2人で住める広さがある3Dプリンター住宅の開発に着手した。
こうして誕生したのがserendix50である。別名「フジツボモデル」と呼ばれている。
serendix50の住宅開発主体はセレンディクスで、概要設計とコンセプトづくりは慶応大学KGRI環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センターが行った。
実施設計とデザインは、
宮城大学准教授で慶応大学SFC研究所上席所員の益山詠夢氏が手掛けた。
構造設計はKAP(東京・千代田)が担当している。
serendix50は
快適性と
安全性を
検証したデジタルデータに基づき、
住宅の躯体(くたい)を3Dプリンターで出力する。
同じく屋根もデジタルデータを基に、
CNCカッターで造形。
3DプリンターとCNCカッターという2つのデジタルファブリケーション技術を融合し、48時間以内に施工を完了する。
3Dプリンターで壁を「印刷」しているところ(写真:セレンディクス)
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