臓器あっせん、トルコ人仲介者を現地当局が捜査…売買に関与の疑い

読売新聞オンライン

初めて本紙の取材に応じ、日本のNPOとの関係などについて語るトルコ人男性(18日、イスタンブールで)=小峰翔撮影

 

 

 

 

【イスタンブール=小峰翔】

NPO法人「難病患者支援の会」(東京)による海外での臓器あっせん事件を巡り、NPOと連携して移植を進めていた「移植コーディネーター」のトルコ人男性(59)が、臓器売買に関与した疑いでトルコ検察当局の捜査を受けていることがわかった。5月に一時身柄拘束され、現在は任意で捜査を受けている。

 

 

 

  【図解】一目でわかる…海外臓器あっせん事件の構図

 

 

 

 男性が18日、トルコの最大都市イスタンブールで本紙の取材に初めて応じ、捜査を受けていることを認めた。男性は2017年にも外国人患者の臓器売買に関与した疑いでウクライナ当局に逮捕されたが、取材に対し、違法な移植への関与はいずれも否定した。

 

 

 

 

 

(写真:読売新聞)

 

 

 

 

 男性の説明によると、男性はイスタンブール大学出身の医師で、勤務医時代の11年から外国人患者を受け入れる「医療ツーリズム」に関わり、これまで200件以上の臓器移植に関与してきた。

 

 

 だが、イスタンブール検察が5月中旬、臓器売買に関与した疑いがあるとして男性を含む14人を拘束した。移植を希望する外国人のために公的機関に虚偽の書類を示し、不正に手術の承認を得ようとしたなどとする容疑だった。患者とドナーの国籍や臓器売買の金額は明らかにされていないが、一部の行為はウズベキスタンで行われたという。

 

 

 14人の中には、ウクライナの事件で男性と一緒に逮捕された医師も含まれていた。男性は取材に「証拠がないために釈放された」と主張したが、捜査は続いており、出国禁止の措置も取られている。

 

 

 

 

(写真:読売新聞)

 

 

 

 

 一方、NPO理事長の菊池仁達(ひろみち)被告(63)(臓器移植法違反で公判中)と接点を持ち、医師や病院の手配など移植の調整を行うようになった経緯について、男性は「ブルガリアの病院のコーディネーターから紹介された」と明かした。

 

 

 その後、菊池被告が年間20~30人の患者を連れて来られるとコーディネーターから聞き、

「患者1人につき5000ドルの報酬を受け取れば、年に10万ドル(約1400万円)を稼げる」と考えたという。

 

 ブルガリアでは21年4月、NPOが案内した日本人患者2人の腎臓移植が行われ、同12月には、男性が手配したキルギスの病院で日本人女性が生体腎移植を受けた。

このキルギスの移植では、ウクライナ人のドナーに腎臓の対価として1万5000ドル(約210万円)近くが支払われた。

男性は執刀医を手配したことなどを認めたが、

ドナーへの支払いについては「一切知らない」と関与を否定した

 

 

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