ラッセル「フェルスタッペンの走りから、アグレッシブさが減った」圧倒的強さによる『余裕』が変化のカギ?
Alex Kalinauckas
2023年のF1で圧倒的な強さを見せているレッドブルのマックス・フェルスタッペン。彼はアグレッシブなドライビングを見せるドライバーのひとりだが、今年は荒っぽさが減っているとライバルは考えているようだ。
フェルスタッペンは今シーズン、タイトル3連覇に向けてこれ以上ないスタートを切っている。第8戦スペインGPを終えた時点で計5勝を挙げ、チームメイトとのタイトル争いでも大きなリードを築くことに成功している。
彼を追いかける立場にあるメルセデスのジョージ・ラッセルは、今年のフェルスタッペンがこれまでよりも”アグレッシブさ”を抑えたドライビングをしていると語る。さらにラッセルは、幼少期からフェルスタッペンやシャルル・ルクレール(フェラーリ)、エステバン・オコン(アルピーヌ)らとレースをしてきたことで、お互いをよく理解できていることもレースでのバトルに影響を与えているだろうと持論を語った。
「僕らは皆、お互いのことを良く知っていると思う。ドライビングスタイルや、お互いが負うリスクについてもね」
ラッセルはそう語る。
「マックスとシャルル、そしてエステバンと最初にレースをしたのは、2011年のことだったと思う」
「実際、アレックス(アルボン/ウイリアムズ)やランド(ノリス/マクラーレン)なんかとレースをするよりも前に、彼らと走っていたんだ。出身なんかを考えると、ちょっと面白いよね」
「ただアレックスやランドと一緒に、カートに乗る僕らは他のレースを見ながら育ってきた。だから僕らは上の年齢のカテゴリーで走るアレックスや、下のカテゴリーで走っていたランドのことも、よく見ていたんだ」
「互いのことを良く知っているんだ。そしてそのコトが、僕ら同士のレースに影響を与えているのかもしれない」
Max Verstappen, Red Bull Racing RB18, collides with Lewis Hamilton, Mercedes W13© motorsport.com
Max Verstappen, Red Bull Racing RB18, collides with Lewis Hamilton, Mercedes W13
Photo by: Steve Etherington / Motorsport Images
そしてフェルスタッペンがアグレッシブさを抑えているのには、彼の持つ優位性からくる余裕が関係しているとラッセルは続ける。
「でも同じように、チャンピオンシップを戦っているときには、少し違った戦い方をするもんだ。今のマックスはこれまでと比較して、アグレッシブになる必要性が低いポジションにいるんだ」
「彼は順位を落としても、あとで取り戻すことができると分かっているんだ」
「彼に比べたら、今の僕らはシーズン中に1勝するチャンスを得るために、彼よりも多少『やるか、やられるか』みたいな立場にあるかもしれない」
なおラッセルは、レースで争う上でのドライバー同士の信頼の重要性についてさらに訊かれた際、20人のうち「3人」だけ戦いたくないドライバーが存在すると語った。
「グリッドに並ぶドライバーの中で、戦いたくないドライバーは、3人いるかもしれない」
「ほとんどのドライバーとの間には、信頼があるよ」
「(その3人が)他のドライバーと同じ程の空間把握能力を持っているとは、僕は思っていない」
「実際、偉大なドライバー達と戦うのは好きだよ。彼らはマシンを上手くコントロールすることができて、危険な場所ではなく、難しくてもより危険ではない場所にマシンを持ってくることができるからだ